2019/09/01  カテゴリ 

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デザイン思考のワークショップにはじめて参加してみた!

自分は今まで何回ワークショップに参加したことがあるんだろう?

と、ワークショップ参加回数の質問をされたので、記憶をさかのぼってみました。
昔勤めていた会社の社員研修で、ワークショップに参加したことがあるな、その他にもう一回くらいあっただろうか? でもすぐに思い出せません。
ということで自分の参加経験は「一回」。一番少なく、列の一番前に並ぶことになりました。
参加回数順に並ぶ! 整列するって、高校卒業してから一回...

参加回数順に並ぶ! 整列するって、高校卒業してから一回もしていないな

そう、ワークショップのグループ決めは、参加経験によって決めるというルール! 参加経験が少ない人は、多い人とミックスするという配慮がされていました。
つまり一回の自分とは経験豊富(!?)な方と一緒になるのです。逆に少し緊張してきました。
今回参加しているのは、デザイン思考のワークショップ。
デザイン思考、実は10年ほど前から知っていました。当時ちょっとしたバズワードになっていた記憶があります。IDEOのティム・ブラウンが著した「デザイン思考が世界を変える」を読んだことがありました! デザイン思考ってすごそうだな、と感じたのですが、いつの間にか頭から抜け落ちていました。
かろうじて記憶の片隅に残っていたのは、ワークショップに参加している人たちが付箋をたくさん壁に張っているイメージ。

今回、知人に「デザイン思考のワークショップやるよ!」と招待されて、久々に記憶がよみがえりました。本で読んだことと、実際に参加することの間にはどのくらい違いがあるのだろう?  とワクワクして会場に向かいました(実はJRが人身事故で止まって大変でした……涙)。
冒頭、チーム分けで感じた不安は杞憂に。メンバーはみなさんフレンドリー、かつ個性的(変態?)な方が多く、すぐに打ち解けることができました!

二人一組で自己紹介をしたあとに、その他のメンバーに相手を紹介する他己紹介をしました。普段、いかに自分が人の話を聞かないか、が露呈する結果に(汗)。相手を表現する形容詞がうまく出てこない……ちょっと反省です。

メンバーと対話してアイデアを発散

ブレストは会社で何度も行ったことがありますが、よく陥るパターンは、

「誰かがひたすらアイデアを出し続けて人に譲らない」
「出てきた案を頭ごなしに否定する」
「人のアイデアを聞かない」
「議論が始まってブレストが終わってしまう」

ブレストをした気になって終わったり、メンバーが二度とブレストをしようとする気にならなかったり。

さて、ブレストのお題は「世の中のめんどうくさいことを探せ!」とのこと。ふむふむ、自分は筋金入りの面倒くさがりなので、たくさんアイデアが出せそうかな。

指示されたブレストのルールには、
「コメントはしない」
「声を出して読み上げる」
「『いいねー』と言う」
「質より量! どんどん出す」

とありました。

自分はついつい余計なことを言いたくなるし、自分の考えに没頭するクセがあるので、これはとても良いルール。

ブレストスタート! みんなせっせと自分のアイデアを付箋に書いて、口にしていきます。
みんな書くのめちゃ早いんですけれど。どういうこと!?

みんな書くのめちゃ早いんですけれど。どういうこと!?

不思議なもので、メンバーがそれぞれ自分のアイデアを声に出すと「その人の個性が込められた」アイデアとして実感できて楽しい!

「Facebookの広告」うんうん。
「服を着る」「爪を切る」それもわかる。
「料理」「子育て」お母さんはそうだよね。
「嫁」「自分」おいおい(笑)

みんなの声を聞いていると、「なるほど、その考え方もあるな、自分もそっち方面を掘ってみようか」と影響される自分と、「いや、俺はあえてこっちを狙う」とひねくれて反発する自分の二人がいることに気づきました。

自分のなかで、白黒二人の自分が対話している感じが心地よく、結果いろいろな方向にアイデアのアンテナが飛びました。とてもいい感じ。

われらがチームの「めんどうくさい付箋」はあっという間に机一面を埋め尽くしたのでした。

ベストオブめんどうくさいは……?

つぎのお題は「ベストオブめんどうくさい」をチームで一つピックアップすること。
みんないいアイデアなので、一つを選ぶのは甲乙つけがたい!

みんないいアイデアなので、一つを選ぶのは甲乙つけがたい!

70以上の面倒くさいを、みんなでグルーピングしてみると、
「人」「家族」「生活」「仕事」「社会」「現代」
に分けられました。自分のアイデアもいいし、他のメンバーのアイデアもいいなあ、甲乙つけがたい。

ふと見ると、ひとつだけどこにも分類できない「めんどうくさい」が。

誰が挙げたのか「付箋をはること」!

そもそもこのワークショップのお題である「めんどうくさい」を解決すること自体が「めんどうくさい」とは。

これはいいよねと推薦。みんなも賛同してくれて、われらチームの「ベストオブめんどうくさい」は「付箋をはること」に決定!

エクストリームに付箋を貼るって、どういうこと!?

この先、どうするのだろう?と思っていたら、ファシリテーターの竹丸さんからこの動画を観てください、と部屋の照明が落ちました。

見たのは、登場人物たちが過激な(エクストリームな)行為をしているのを集めたYoutube動画。
「すげえ崖を登っているな」「なんでこんなところで踊ってるんだろ」
10分ほどある長い尺の動画をみたあとに、次のお題が示されました。

エクストリームに「付箋を貼る」を考える! 見た動画はエクストリームを想起させるためのものだったのですね。

エクストリームと一口に言っても、すぐに考えがでてきません。ファシリテーターさんから提示されたヒントは、「Who(誰が)」「When(いつ)」「Where(どこで)」の3つに、エクストリームの要素を分解すること!

なるほど、これだと考えやすい。
われらチームのベストオブめんどうくさい、は「付箋をはること」。
後で勉強したのですが、これシナリオグラフっていうんですね

後で勉強したのですが、これシナリオグラフっていうんですね

「80歳のおばあちゃん」「光希(※チームメンバーのひとり)」「前嫁」

いつ?
「30分おきに」「石原さとみ(と一緒にいるときに)」「別れ話(をしているとき)で」

どこで?
「クラブで」「南極で」「税関で」

「いつ」と聞かれたらふつうは、「◯◯しているとき」と回答するものなのに、
「30分おきに」と頻度を出すのが、われらがチームのエクストリームさ!
「石原さとみ(と一緒にいるときに)」もすごい。時の概念をこの時点で覆しています。

まさに自分一人では出てこないアイデア。多様なメンバーがいると、概念を覆すことができるんだ。アイデアが跳躍するんだ、と感動を覚えた瞬間でした。

プロトタイプに命を吹き込むには!?

最後のお題は、「エクストリームに付箋を貼る」のプロトタイプを粘土で作ること!

人を作るのに肌色や黒の粘土が無い。どうしようかな……? 自分は「80歳のおばあちゃん」を作ることに集中しました。他のメンバーはクラブの内装を組み立てたり、室内の装飾を細かく作ったり。

クラブに30分を計る時計を置くことにしたのですが、メンバーが「デジタルの時計」「アナログの時計」「砂時計」の3つの時計を置こう、と。砂時計があるクラブってすごい!
砂時計があるだけで、場所に命が吹き込まれた感がします。

もう一人のメンバーは、おばあちゃんが付箋を貼るために使う、左手に持たせるステッキを作ってくれました! 付箋をステッキにくっつけて貼る。これもすごいなあ。

そして、自分の作っているおばあちゃん。自分のなかでおばあちゃんといえば、紫に染めた髪のイメージが強くて、髪を紫にしたかったのですが、紫色の粘土が無かったので青に。
自分のなかでクラブといえば、スペインのイビサ島(行ったことはない)なので、スペインっぽくしたいと個人的に考えながら、粘土をこねこね。

クラブだからお酒を飲みながらにしよう、と右手にグラス(他のメンバーには縄文式土器と言われた(笑))を持たせたのですが、何かが足りない。もっと命を吹き込みたい。

キョロキョロ周りを見回すと目についたもの……それはペットボトルに入ったお茶。
これだ!

プロトタイプと現実の世界をつなげるには、自分たちと同じものを飲んでもらう。
このお茶をおばあちゃんにはお酒として飲んでもらおう。と、アイデアの壁をさらに一つ破ることができました。

縄文式土器にペットボトルのお茶をおそるおそる注ぐ。水漏れしないかな?
こぼれることなく、土器の内側にお茶が溜まりました。これで完成!
お茶をいれるのに夢中。頭のなかは永遠の14歳

お茶をいれるのに夢中。頭のなかは永遠の14歳

(なお、3つのエクストリームを作るのがお題だったのですが、おばあちゃんに集中してしまって、他の作品を全く見ていなかったのは反省です)

メンバーがみな少年少女のように眼をきらきらさせて、粘土プロトタイプに集中しているのを見て、この顔こそが大事なんだなあ、と実感しました。難しい顔をしていては、アイデアなんて出てこないですよね。

今後どうやって学びを活用したらいい?

最後に、参加者全員で各グループのお題と作ったプロトタイプの発表をして終了。他のグループもいろいろなプロセスを経て、メンバーの個性が生かされたものでとてもおもしろい!
他のグループの作品をみるのはとても楽しい!

他のグループの作品をみるのはとても楽しい!

デザイン思考のワークショップを初めて体験したのですが、やはり百聞は一見に如かず。一回プロセスを体験することで、効果も体感できますし、疑問点も出てきました。

今回は「考えを拡散して収束させる」プロセスのほんの入口を教わった感じです。経験豊富なメンバーがチームに多かったから、ワークショップが支障なく進み、成功した気もしています。
そのため、自分が会社に戻って、ファシリテーションをするには心許ない気がしました。

実はワークショップ翌日に、自社で運営するサービスの改善ブレストがあり、さっそく学んだことを活用しました。時間や準備の関係上、付箋を使って整理したり、プロトタイプを作ることはできなかったのですが、最初に学んだ点、
「相手のアイデアを否定しない」
「口に出してアイデアを出す」
「上下関係を持ち込まない」
を意識し、2時間ブレストをしました。

結果、今までになく自由闊達にアイデアが出てきて、アイデアの中にはすでにサービスとして実装を始めているものもあります。

いっぽうで、一企業での運用を考えたときの課題も見えてきました。

まず「そもそも多忙な状況で、参加者全員長い時間を取ることが難しい」

現状ではせいぜい2・3時間しか関係者全員の時間をとれません。そうすると、どうしてもプロセスの一部を端折らなければならなくなります。
自分の会社では、ウェブのサービスを顧客に提供しているため、プロトタイピングが命。ディレクターやデザイナー以外の人間がどうやってプロトタイピングを作り、共有するか。その方法も考えなければなりません。

つぎに「参加者の属性が偏ってしまう」

小企業で運用する場合、社内ブレストは参加者が一定のため、新たなアイデアが生まれづらいことも否めません。社外のメンバーも加われればいいのですが、企業秘密もありますから、なかなか頭が痛い問題です。大企業ではあまり問題にならないのかもしれませんが。

そのような課題を感じつつも、他のメンバーとの関わりの中で「アイデアを開いていく」感覚は初めて得るものでした。
ビジネスのみならず、家庭生活や教育でも使えるツールだと実感しました。みんなが身に付けたほうがいい考え方だなあと思いました!
(みんデザ編集部によるレポートはこちら
みなさん、お疲れさまでした!

みなさん、お疲れさまでした!

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