2019/09/01  カテゴリ 

イベント

「第1回みんなのデザイン思考」開催レポート

「デザイン思考」をベースとした新しいコミュニケーション、アイデア発想、ものづくりとかとか。クリエイティブや企画職の人たちだけじゃなく、みんなができるようになるといいなあーー。そんな大志(?)を抱き、結成いたしました、「みんなのデザイン思考」。
結成したはいいものの、まずどうする?何する?ということで、とりまワークショップをやってみっかー!ということになりました!!
デザイン思考って聞いたことあるけどあんまりやったことない、詳しくない、という人たちを集めて、さわりだけでも体験してもらおう!そんでこれからの生活に役立ててください!
さて、今回のテーマは「デザイン思考を知って私だけの人生をデザインしよう!」だ!
……勢いまかせでタイトルをつけて募集してしまったのですが、あとあと考えるとあんまりこのタイトル意味ないってのが最大の反省点でした(汗)。
まあそれは置いといて、とにかくデザイン思考を体験しよう!という会です。
いったいどんなワークショップになるのかな?

いったいどんなワークショップになるのかな?

「デザイン思考」って一体何? まずは座学でお勉強

今回参加してくださった方のほとんどが「デザイン思考」という言葉をご存知でした。
イメージとしては「デザイナーがデザインする思考過程を、普通の人も使ってみる」みたいなことまでは持っているみたい
まずはみんなで学んで知識レベルを揃えよう。ざっくり概要レクチャーのはじまりはじまり。
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歴史とかポイントとか、かいつまんでざっくりと、学んで行きました。
へー、60年代から研究されてる思考法なのですね。
ここでポイントとなったのは「拡散」と「収束」。充分に拡散されないといいアイデアが生まれないよ!

ファシリテーター登場。いよいよワークショップが始まります!

レクチャーが終わると、ファシリテーター&ワークショップデザイナーの竹丸が登場。ここからは彼女がデザインしたワークショップを体験していきます!
【竹丸草子さんプロフィール】
artenarra 代表、NPO法人こととふラボ 理事、NPO法人ワークショップデザイナー推進機構 理事、東京工科大学非常勤講師
専門は美術教育。企業や行政へ向けてワークショップデザインやファシリテ―ションを、高校・大学ではキャリアデザインの授業を担当している。得意とするのは「自走するチーム」づくり。

ワーク1 グループ分け

まずはワークに向けてグループに分かれよう。
「これまでワークショップに参加した回数」の順番に並びます。
ほぼ初対面の面々が、お互いに「何回くらい?」と声を掛け...

ほぼ初対面の面々が、お互いに「何回くらい?」と声を掛け合い、順番になります

そしてちょうど真ん中で区切り、はじっこの人とはじっこの人が揃うように2列に。
その2列を壁側・真ん中・手前の3グループにわけて、参加経験がばらけたチーム構成の完成です。
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実はこれもワークのひとつ。じゃんけんとかで普通にグループ分けしてもいいのですが、せっかくならば全ての動きを効果的にしちゃいましょう。
◆ワークショップデザイナーより、ワークの狙いとポイント
今回はワークショップ未経験の参加者もいたので、グループごとに経験値の差がつかないようにしたいと考えました。多様な人を混ぜることも発想を豊かにするポイントです。また、グループ分けするときも席に座ったまま決めるのはではなく、体を動かして他のメンバーと話し合うことで、初対面の緊張が解けていくのとともに、「自分も参加している」感覚を持ってもらうのが狙いです。

ワーク2 グループ内で他己紹介(10分)

グループ分けをワーク1として、お次のワーク2は「他己紹介」!
みんな自己紹介は毎日のようにやってると思うけど、他己紹介ってやったことある〜?
これは文字通り、他人のことを紹介するというもの。
二人組になって自己紹介し合い、その後自己紹介で知った相手のことをグループメンバーに発表するよ!
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自己紹介で聞き出す内容は以下の通り。
①名前
②得意なこと
③多分こんな人(推測)
など。
きっとこの③がポイントですね!
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みんな相手のことを好き勝手に推測で紹介し始めましたよ(笑)。だんだん場の空気があったまってきましたね!
◆ワークショップデザイナーより、ワークの狙いとポイント
「どんな人たちが一緒なんだろう?自分は入っていけるかな?」緊張感マックスの時間です。なのでまずはグループ内の安心度を高めます。他者を紹介しなくては!ということで一生懸命相手の話を「よく聴き」ます。そして勝手に推測していいということで、自分の想像力を駆使して、正解・不正解関係なくこの場で「話せ」ます。「聴く」「話す」を安心してできること。実はこの後のワークにつながる重要な場面です。

ワーク3 ブレインストーミング(40分)

お次はブレスト!みんな大好きブレストだよ!みんなブレストって知ってるよね???
なんかやるとき「ひとまずブレストさせてください」とか言って会議室に人集めるよね?やってるでしょ?気軽にブレストブレスト言ってるよね???
でもそれ、本当に正しいブレストですかね〜〜〜??? だらだらとあーだこーだ言い合うだけになってませんか〜〜〜???
ブレストってれっきとしたアイデア出しの手法。ちゃんとした方法があるんです。今回は「ちゃんとしたブレスト」をやってみよう!
【ブレストのルール】
・どんどん出す。質より量!
・他の人のアイデアに否定やコメントはせず、とにかく「いいね〜」って言う
・声に出して読み上げる
ファシリテーターから出されたブレストのテーマはこちら!
「世の中のめんどくさいことを探せ!」
生活していてめんどくさいこと、たくさんありますよね?
何も考えず、思いついたものを付箋に書いて行きましょう!
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スピード感を持ってバンバン出す!どんなにつまらない(笑)アイデアでも、みんなで「いいねー!」と言い合います!これブレストの超大事なルールだよ!だんだんテンション上がってくるよ!
やってみるとわかるのが、みんなそれぞれ思いつくものが違うということ。
「食器洗い」「車の運転」という生活関連のめんどくさいことを挙げる人もいれば、「クレーム対応」「営業電話」みたいに仕事関連を書く人も。本当にバラバラです。
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ワークショップをやる一番の意味がこういうところなのですが、ひとつのテーマや物事でも、人それぞれ見方が違うんですよね。
インドで古くから伝わるお話に、『群盲象を評す』というものがあります。盲目の人たちがそれぞれ象の体や鼻、牙を触り、象について話し合うというもの。「物事や人物の一部、ないしは一面だけを理解して、すべて理解したと錯覚してしまう」ことの例えとして、世界中で引用されています。
テクノロジーが発達して、世の中のことがひとつの正解では片付かなくなった現代だからこそ発明された、「共創」という考え方。バックグラウンドや考え方が違うメンバーで集まり、出たアイディアを練り練りしていきましょう!
さて、ブレストしている「めんどくさいこと」は、そのうち「子ども」「旦那」「嫁」「前嫁」とか、もはや家族全員揃い出し、さらに「この付箋を貼ること」みたいなものも出てきました…。
「めんどくさいことばっかり考えていたら何もかもめんどくさくなってきました。帰っていいですか?」と言い出す参加者も(笑)。まだ帰らないでー!!
◆ワークショップデザイナーより、ワークの狙いとポイント
ブレストで自分の意見や考えを発散させきります。一旦出し切ったかな?と思ってからの一押しの時間が大事。「え〜、もうないなあ」というところから、“質より量”という負荷で出てくるアイディアがみなさん絶妙です。ブレストという型を決めることが一見窮屈そうに見えますが、実はその型が自由に発想できるしかけとして働きます。

ブレストで出たアイディアをグループ化しよう!

各グループ、たくさんめんどくさいことが出ましたね!
お次は出た付箋をグループ化する作業です。
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ブレストでババーっと拡散させたアイディアを、いったん収束させる作業です。
拡散→収束→拡散→収束がデザイン思考の基本!
どんなアイディアが出たのかな?俯瞰的に眺めてみよう。

どんなアイディアが出たのかな?俯瞰的に眺めてみよう。

◆ワークショップデザイナーより、ワークの狙いとポイント
付箋を前に「こんなに出ちゃってどうするの?」という声が聞こえてくる時間です(笑)ファシリテーターの方を向いている意識を、場やワークに「みんなで向いていく」時間でもあります。アイディアをまとめることも重要ですが、プログラムデザイン的には、オブジェクト(ワーク)に集中しはじめす。また、自分のアイディアをみんなのアイディアにしていく過程で、各自がなんとなく役割を持ちつつ、自分たちなりの進め方を編み出していきます。

ここで本当のお題が発表!

ここで作業はいったん小休止。おもむろにファシリテーターが映像を投影し始めました。
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流された映像には、断崖絶壁や線路の上、スカイダイビングをしながらなぜかアイロンがけをする人々の姿が!
あぜんとする参加者のみなさま。
これ、いかにエクストリーム(過激)にアイロンをかけられるかで勝敗が決まる「エクストリーム・アイロニング」というれっきとしたスポーツなのです!
【エクストリーム・アイロニングとは】
エクストリーム・アイロニング(エクストリーム・アイロニング、Extreme Ironing)は、人里離れた場所でアイロン台を広げて服にアイロンを掛けるエクストリームスポーツである。このスポーツのプレイヤーはアイロニスト (ironist) と呼ばれる。
行なう場所としては、難易度の高いクライミングを伴う山の斜面や、森、カヌーの上、スキーやスノーボードの最中、大きな銅像の頂上、大通りの真ん中などがあり、アイロン掛けの目的をほとんど無視して、スキューバ・ダイビングをしながら行うこともあるほか、パラシュート降下中[2]、湖の氷上でも行われた。これらのパフォーマンスは個人および団体でも行われる。
メディアの一部では、これが本当にスポーツであるかという議論があり、多くの場合それは広く冗談であると考えられている。
今回はこれをもじって、やってみよう!題して「エクストリーム・めんどくさい」!!
グループごとに、エクストリーム・めんどくさいのアイディア選手権を開催。3位までのエクストリームなめんどくさいを考えだそう!
うまくいくと世界中で人気のスポーツになるかもしれないよ!!

ワーク4 シナリオグラフ(20分)

ではたくさん出ためんどくさいことをどうやってエクストリームにさせるのか?
お次のワークは「シナリオグラフ」というものですよ。このワーク、ブレストに比べて知名度が低いかもしれません。
こちらもブレストと同じで、ランダムな発想からアイディアを出していく手法です。
今回は
「WHO(誰が)」
「WHEN(いつ)」
「WHERE(どこで)」
「WHAT(何を)」→ここはブレストで出た「めんどくさいこと」
の4つの項目でバシバシアイディア出しします。
項目をつなげて、あっと驚くエクストリームめんどくさいを決めよーー!!
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各項目ごとに思いついたものをどんどん書いて貼っていきます。
ここまで来るともうだいぶ打ち解けているグループメンバー...

ここまで来るともうだいぶ打ち解けているグループメンバー。楽しそうです。がんばって

◆ワークショップデザイナーより、ワークの狙いとポイント
もう1回発散の時間です。先ほど決めた意見をもうひとひねり。”めんどくさい”と”エクストリーム”という普通は交わらなさそうなものを掛け合わせることで、思考の飛躍を狙います。新しいワークに”みんなで”挑戦していきます。ちょっとがんばらないと進まないものをワークで出すことも大事なしかけです。協同するからこそできるものがここにあります。

ワーク5 プロトタイピング(粘土)(25分)

「エクストリーム・めんどくさい」ベスト3は決まったかな?
ではそれを、粘土で作ってみよう!!
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「えー!粘土で!??」びっくりする参加者たち。
これはプロトタイピングといって、出たアイディアも実際手を動かして作ってみることで見えてくるものや気づきがあるのです。
今回は粘土を使ったけど、レゴなど別の方法でやる場合もあるよ!
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初めて会った同士の大人たちが、真剣に、かつ楽しそうに粘土をこねる姿にスタッフ一同涙が溢れそうですよ……。
◆ワークショップデザイナーより、ワークの狙いとポイント
ポイントはずばり“粘土”です。ちょっとわくわくするでしょう?(いや、しない人がいてもいいんですよ)。粘土は思い通りになるようで、ならない。上手・下手とか関係ないアイテムなんです。手を動かすこと(身体を動かすこと)、アートの要素を入れることで、さらにアイディアが深まっていきます。プロトタイプを可視化することもポイント。“状況”としてグループみんなでアイディアを共有できます。ここまでくると、ファシリテーターに依存せず、「自分たち」が進めて、「自分たち」がその場を生み出していきます。ファシリテーターはその場をホールドしている状態です。

プロトタイプの大発表〜!


最後に発表大会ですよ! これまで各グループ、他のグループの仕事っぷりは全く見ておりません。
同じお題とプロセスを経て、グループごとにどれだけ違うものに仕上がっているのでしょうか?
80歳のおばあちゃんがクラブで、30分おきに付箋を貼る

80歳のおばあちゃんがクラブで、30分おきに付箋を貼る

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それぞれのグループの発表、いかがでしたか?
同じプロセスを経ても各グループ全然違う結果になったということは、そこが個人個人の持つ力が発揮された部分なのです。
最後にファシリテーターより、デザイン思考をやっていく上で一番大切なのは「PLAYFUL(楽しさ)」だ!というお話をいただきました。
仕事だろうが遊びだろうが、何ごとも楽しくやらないと新しいものは作れません!
そのための空気づくり、お題の設定を工夫して、ワークショップをやっていきたいですね!
私たちもPLAYFULを忘れずに活動をしていきたいと思います!

お疲れ様でした!!

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参加者の皆様からの感想。

開催後のアンケートでは、こんなご意見・ご感想をいただきました(一部公開)。
「メンバーの意見を否定せず、受け入れること、相手を尊重することを大事にするようになりました」
「ワークを通すことで、初対面の壁が一気に低くなりました」
「面白くなさそうな人の意見でも、上手く取り入れることによって面白いアイディアになると分かった」
「正しいブレストの仕方を理解出来た」
「今までは、アイディアを否定することで絞り込み(=収束、ブラッシュアップ)していましたが、そもそもポジティブに拡散させることをしていなかったり、収束させるにもネガティブに絞り込んでいたやり方を根底から覆されました。大切なのは、「競争」ではなく、「共創」だということに気付かされ、自分の考えを改めました」
というわけで、お次は具体的な課題を持ってワークショップをしてみたいと思いまーす!
次回をお楽しみに!
(参加者のレポートはこちら
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