2019/09/01  カテゴリ 

きいてみた!

ファシリテーター・竹丸草子さん 「ファシリテーターは何をするの? どうしたらなれるの?」

デザイン思考にかかわる仕事を紹介するコーナー! 第1回目は、ワークショップの場を後押しする大事なお仕事、ファシリテーターの紹介です。

ファシリテーション、そしてファシリテーター。ワークショップや教育現場ではみなさん耳にしたことがある言葉ですよね。仕事の会議でも、「ねぇー、◯◯さん今日の会議ファシリして」と言われることもしばしば。

しかし、ファシリテーターは実際のところ、何を心がけて、どういった役割を果たしているのか? そして、どうやったら技術を身につけられるのか。 知っている人はなかなか少ないのではないでしょうか?

私たち「みんなのデザイン思考(通称:みんデザ)」でもデザイン思考を活用したワークショップを多く開催しています! 今回はみんデザワークショップのファシリテーターでもある、アルテナラの竹丸草子さんに、「実際のところファシリテーターってどういうことをするの?」「どうやったらなれるの?」を聞いてみました!

みなさんが知っているようで知らない「ファシリテーターの世界」を語っていただきます。

●ファシリテーターの仕事は「背中を押すこと」

アルテナラの竹丸草子さん。最近ギックリ腰になったとか...…

アルテナラの竹丸草子さん。最近ギックリ腰になったとか...…

みんデザ編集部(以下、みんデザ): 竹丸さん、今日はインタビューよろしくお願いします〜!いきなり本題ですが、ファシリテーターとは、どういうお仕事なんですか?​

竹丸草子(以下、竹丸):​ファシリテーターとは、人の行動や組織のあり方を後押しする人のことです。「ファシリテート」という単語には、促進する、容易にするという意味がありますが、あくまでも「背中を押す人」だと私は考えています。

みんデザ: ファシリテーターの一般的なイメージとしては「ワークショップを仕切る人」ですが、実際にはどのような役割を果たしているのでしょう。

竹丸:分野や場面によってファシリテーターが与えるイメージは違いますが、本質的に言うと、どの状況においても、その場をホールドして「後押し」をすることがファシリテーターの役割です。
ファシリテーションはさまざまな場で活用されています。たとえば、子育てにも使えるし、学校の先生もファシリテーションのスキルを使います。特定の分野でしか使えないというものではないです。

みんデザ: 学校の先生は、生徒にものを教える人というイメージが強いですよね。一般的なイメージの先生の仕事と、ファシリテーターは何が違うのでしょうか?

竹丸:長い間学校では、先生が子どもたちに一方的に知識を与えることを行ってきました。でも、現代の教育現場では、子どもたちが自分で探求して学んでいく力を育てる方向に変わりつつあります。学校の教え方自体が変革の時期に入っています。学習指導要領もその方向に変わってきていますね。そこで先生にはファシリテーションの能力が必要とされています。

みんデザ:具体的にどう変わっているのでしょうか?

竹丸:今までと同じように、単純に知識を与える教え方だと、子どもたちが「自分たちで探求する力」が育ちません。ファシリテーションで、子どもたち自らが何かをするのを後押しする。自分たちで探求をする手助けをするのです。そうやって自発的に学ぶことを促進していきます。
これは教育だけの話ではありません。たとえばビジネスの会議でも、声の大きいカリスマ的な人が引っ張っていくような会議ではなく、共創・協働を社内で進めていく。誰かが決めたことをトップダウンで落とすのではなく、みんなで決めて考える方向に変わっていますよね。

みんデザ:ワークショップの参加者は、どのような経験をしてもらうといいでしょう?

竹丸:ワークショップを実施するときには、参加者が自分自身の活動によって「いいことが起きた!」「自分たちサイコー!」と実感して終わるのが一番いいなと思っています。ファシリテーターによってではなく自分たちでやったんだ、と。
また、子どもたちが自分で学んで獲得することの喜びを得たり、会議を自分達でまわしていく充実感を得たり。そういった場を経験してもらいたいと思います。

●必要なのは「プログラムデザイン」と「ファシリテーション」の両輪

ファシリテーターの具体的な仕事をていねいに語る竹丸さん

ファシリテーターの具体的な仕事をていねいに語る竹丸さん

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