2019/09/01  カテゴリ 

プロジェクト

銀座の地酒立ち飲みバーをみんなでプロデュース! 〜新しいクニザケ屋を作ろう!第1回ワークショップ

常連さんと新店舗のデザインを考えたいなんて、聞いたことあります?
意見を聞くくらいは、もちろんあるだろうけれど、なかなかできることではないですよね。これぞまさに共創、デザイン思考!

ということで、今回は「銀座の地酒立ち飲みバー」の新店舗デザインをみんなで考えていきます!
「デザイン思考」をベースとした新しいコミュニケーション、アイデア発想、ものづくりとかとか。クリエイティブや企画職の人たちだけじゃなく、みんなができるようになるといいなあーー。そんな大志(?)を抱き、結成いたしました、「みんなのデザイン思考(みんデザ)」。

そんな「みんデザ」に、銀座のとある「地酒立ち飲みバー」さんより、店舗リニューアルをみんなで考えたい!との相談が舞い込んできました。

新店舗デザインを常連のお客さんと一緒に考えたい!

「今、一時的にお店を閉じているんですが、一人でつくってもね。どうせなら、常連のお客さんと一緒に考えたいなと思って」

そう語るのは、銀座一丁目にある地酒立ち飲みバー「クニザケ屋」の店主、土屋さん(通称:ツッチー)さん。47都道府県のこだわり地酒がいただける、知る人ぞ知る隠れ家的な立ち飲みバーです。男性女性問わず多くの常連さんでにぎわい、白を基調とした店舗デザインで個性的なお店。銀座界隈の方ならご存じの方も多いのでは?
白を基調とした店舗デザインも個性的で魅力のひとつ

白を基調とした店舗デザインも個性的で魅力のひとつ

「クニザケ屋」は、ただ今テナントビルの建て替えにより閉店中。テナントが見つかり次第、新しいお店を出す予定です。そこで「どうせ新しい店舗をつくるなら……」と、冒頭のご相談をいただきました。
店主とお客様との距離が近いのもスタンディングバーの魅力

店主とお客様との距離が近いのもスタンディングバーの魅力

こんなムーディなワークショップは初めて!?  疑似クニザケ屋オープン!

どことなくまだ緊張感が漂うワークショップ会場

どことなくまだ緊張感が漂うワークショップ会場

7月下旬、都内某所に集まったのは、クニザケ屋をこよなく愛する常連さんを含めた11名の皆さん(私含む)。本来なら立ち飲みバーに行ったり、帰宅して一息ついたりするところ……ありがとうございます!
まずは、ファシリテーター&ワークショップデザイナー竹丸さんの挨拶。

「ワークショップは『みんなで体験して学ぶ場』です。ファシリテーターは『みんなで考えよう!』の後押し役として、皆さんのワークをフォローしていく役目です。今回は、ここに集まった皆さんで一緒に、新しいクニザケ屋を考えていけたらと思います。よろしくお願いします。」

皆さん、なんとなく理解しつつも「何をさせられるんだろう?」とまだ戸惑いと緊張を隠しきれないモードの中……

(竹丸)「と、いうことで。では、みなさん!一度外に出てくださいー!」
(皆さん)「え?ええ!?」
せっかく座ったのに。しばらく外に出されてしまう皆さん

せっかく座ったのに。しばらく外に出されてしまう皆さん

突然の呼び掛けにザワザワ。追い出されて待たされることしばし。
あらためて会場に案内されると……
いらっしゃい!(店主ツッチーさんが満面の微笑でお出迎え)

いらっしゃい!(店主ツッチーさんが満面の微笑でお出迎え)

なんと、会場の一角に、疑似「クニザケ屋」がオープン!
店主が用意した本日の地酒。ワークショップ直前の全国旅で...

店主が用意した本日の地酒。ワークショップ直前の全国旅で仕入れたものもあるとか

店主よりすぐりの地酒(日本酒と焼酎)とおつまみでのおもてなしに、常連さんも大喜び!あっという間に会場は和みムードに変身!
さっきまでは見られなかった笑顔がそこに

さっきまでは見られなかった笑顔がそこに

実はこれも、ワークショップの大事な仕掛け。
◆ワークショップデザイナー竹丸さんより、ワークのねらいとポイント

今回は、常連さんには懐かしのクニザケ屋を思い出してもらい、初めての方にはクニザケ屋さんの雰囲気を体験してもらいたく、疑似店舗のオープンをお願いしました。参加者にまずはリラックスしてもらい、同時にお店の雰囲気を体感してもらうことで、その後のワークショップでのアイデア出しをしやすくするのがねらいです。ちなみに、こんなにムーディなワークショップは私も初めてです。場を和ませるために最初からお酒を入れることも、滅多ににありません(笑)
ねらい通り、すっかり会場は立ち飲み屋モードに。この後のワークショップ、大丈夫かな?と少し心配になりながら、私もお酒をいただきます。美味しい!(笑)

まずは店主を知ってみよう! 旅マニアで転職マニア? ディープ過ぎるトークタイム

まずはツッチーさんに、少し思いのたけを語っていただくことに!
みんデザ・コーディネーターの保手濱と掛け合いトークタ...

みんデザ・コーディネーターの保手濱と掛け合いトークタイム開始

ツッチーさんは何を想い、どんな決意でこのお店を作ったのか? そもそもツッチーさんはどういう人なのか?クニザケ屋がどんなお店なのかをみんなで共有するべく、ショートトークタイム(予定10分)を設けたのですが……
常にお酒を傾けながら、とにかくムーディに進むトークタイム

常にお酒を傾けながら、とにかくムーディに進むトークタイム

これが本当にディープで!(笑)
10分枠の予定が、なんと40分も思いのたけを語っていただくことに(笑)

でも、不思議なことに全く飽きない!
乗り鉄でつい先日も函館から博多まで1日で移動したこととか(日本という国は1日で移動できるんだよ!というのを実感・伝えたかったそう。なんですかそのマニアっぷり!)、夜学に通っていたこと、天体部だったこと、転職マニアと呼ばれていること、大阪時代は北新地のスリールさん(注:有名な立ち飲み屋さん。クニザケ屋の理想モデルもスリールだそう!)に週5で通っていたこと、全国にいる面白いお友達のこと、etc……
とにかく話が尽きない、尽きない。でも飽きない。
何ですかこれ!何者ですか?ツッチーさん!

普段、お店ではそんなに話さないと仰っていましたが、マニアックな幅広い知識と尽きない話の面白さに、ツッチーさんの存在そのものが「クニザケ屋の魅力」なんだろうなぁ、としみじみ感じた次第です。
だってほら、常連さんもこの通り。うれしそうで仕方ない様...

だってほら、常連さんもこの通り。うれしそうで仕方ない様子ですもの

そして、お店に対する思いを話してくれました。

「47都道府県の酒を集めたかったんですよね。日本って、国土が狭いけど南北に長くて、寒い・暑い気候や風土が混在してとても面白い。でも、自分が住んでいるところしか知らない人が多いでしょ? 旅を通じて知った日本の魅力に、もっと気づいてほしい、知ってほしいなって。自分の国だから、知るきっかけがあってもいいんじゃないかなって。それが地酒だった。地酒ってね、47都道府県、全てに必ずあるんですよ。」

立ち飲みにこだわるのは「人と人との距離が近いこと、でも離れたかったら離れることもできる自由度があるから」。2時間後には反対側の席で飲んでいたり、好きなスペースにちょっと移動したり。とにかく自由度が高く「店の中を浮遊できる」居心地の良さが、立ち飲みの魅力なんだそうです。

話の魅力に引き込まれ、講演会に来ている気分になってきました……
違う、今日はワークショップだ!(笑)

もっとお話を聞いていたいのはやまやまなのですが、、
ワークショップの時間がなくなるので次にいきましょう!

ワークショップ開始! どんなお店だったらより良くなるだろう? みんなで考えよう!

ワーク1 クニザケ屋マニアでグループ分け!

まずは、グループ分けをします。
何やら「クニザケ屋マニア」順に並ばされている様子。「いやいや、○○さんの方が常連でしょー(笑)」とか盛り上がりながら、みなさん並んでいきますよ。
まさかの最強常連さんは、週5で通っているらしい!

まさかの最強常連さんは、週5で通っているらしい!

そして、最強の常連さんと一見さんをうまく組み合わせた3グループが完成!
実はこれも、竹丸さんのねらい。
◆ワークショップデザイナー竹丸さんより、ワークの狙いとポイント

今回のメイン参加者は常連さんですが、枠外から見た意見も必要と考え、「クニザケ屋」を知らない一見さんにも数名参加していただきました。バランスよくグループ分けをすることももちろんですが、常連さんにも、ちょっと入りづらさを感じているであろう一見さんの緊張感を理解してもらい、常連さん側にも一見さんを受け入れやすい空気感を持ってもらうことがねらいです。実店舗でもよくある風景ですよね。常連さん同士でも距離感はさまざま。とにかく、今日は同じ場に集まった仲間だよ! という感覚を持ってもらいたかったんです。

グループ分けも、立派なワークになります!

ワーク2 お店の魅力を出し合おう!(拡散)

すっかり場の雰囲気ができあがった今回のワークショップ。
自己紹介もそこそこにさっそくワークを始めていきます!

「店主ツッチーさんのディープなお話も思い出しつつ、クニザケ屋の魅力と思う点をとにかく書き出してみましょう!」竹丸さんの声かけに、常連さんも一見さんも一緒になって、お店の魅力を出し合っていきます。
相変わらずお酒も進みつつ、ワークを進める飲兵衛チーム(笑)

相変わらずお酒も進みつつ、ワークを進める飲兵衛チーム(笑)

「やっぱり47都道府県の地酒が飲めるって魅力ですよね〜」
「毎回、違うお酒があるんですよ」
「白い壁が好きなんだよなー」
「僕にとっては22時からの居場所ですね。早くオープンしてもらわないと」

そんな会話がちらほら。
竹丸さんも、みんなが意見を出しやすくするために、そっとワークショップを後押しして回ります。

こちらの男性3名チームはスタンディング形式で。
気づいたらスタンディングしていた男性チーム

気づいたらスタンディングしていた男性チーム

お題が立ち飲みバーだから? それともスタンディング会議を導入だからでしょうか?理由は不明ですが、アイデア出しのスピードが早い!

こちらは女性チーム。何やら華やかに話が弾んでいます!
女性目線でのクニザケ屋の魅力が、どんどん出てきます!

女性目線でのクニザケ屋の魅力が、どんどん出てきます!

「女性でも一人でも安心していける(変な酔っ払いがいない)」
「トイレが白くて清潔感があるのがいい!」
「相談できる、東京のお父さんて感じ。くだらない話もOKだし」
「お花が飾ってあるんだよね」

さすが、女性ならではのきめ細やかな視点。

「47都道府県の地酒が飲めるのは確かに魅力なんだけど、それがイコール常連の理由じゃない」という、奥深い話も。うーん、なんだか絶妙な秘密がありそう!

ワーク3 お店の魅力をグループ分けして共有!(収束→拡散)

デザイン思考の基本は、拡散→収束→拡散→収束。
魅力を出しきったところで、次はグルーピング(収束)していきます。
こちらのグループは、店、お客さん、マスター、スイス……...

こちらのグループは、店、お客さん、マスター、スイス……(スイス!?)

こちらは全て、店主キャラでグルーピングされている様子です

こちらは全て、店主キャラでグルーピングされている様子です

グルーピングが終わったら、共有!
各チームのワークを見て、さらに思考やアイデアを膨らませます(拡散)。

楽しそうに他のチームの付箋を見て回る皆さん。
デザイン思考に一番大切な「PLAYFUL(楽しさ)」全開ですね!
何やらPLAYFUL全開でとにかく楽しそうです(お酒は...

何やらPLAYFUL全開でとにかく楽しそうです(お酒は離さない。笑)

ちなみに、3つ目のチームは、内装、サービス・コンセプト、常連さん、旅、店主ポテンシャル、とバランス良くカテゴライズされていました。

同じテーマ、同じ空間でワークをしていても、全く違うアウトプットになることがワークショップの醍醐味。同じ物事でも、それぞれ見方が違いますよね。そして、共創による化学変化で、より良いアイデアが誕生していくんです。

それにしても、飲兵衛チームの「スイス」って一体なんでしょうかね(笑)
◆ワークショップデザイナーより、ワークの狙いとポイント

自分たちのグループで紡ぎ出した言葉を、共有する時間です。クニザケ屋さんのイメージをそのグループごとの言葉で出てきたのがおもしろかったですね。私がおもしろいなあと思うように、話しているみなさんも面白がって一見?と思う独自の言葉が生み出されていました。狙いは「他のグループの意見を共有する」。でも、単に「共有」ではなく「混ぜ合わさった」感じのする時間でした。こんなふうに、ツールを媒介として、人が繋がっていくのもワークショップの醍醐味ですね。参加者のみなさんと、クニザケ屋さん達が作り出している感じ。ファシリテーターは場をホールドしながら、一緒に楽しみます。

ワーク4 クニザケ屋のチラシを作ろう!(収束→拡散・発表)

いよいよ、今回のワークのまとめに入っていきます!

「まずはまとめた付箋から、いいなあと思うものをひとつ選んでください」
と竹丸さんから。(収束)

え! ひとつを選ぶの!?
せっかく出したたくさんのアイデアから、一つを選ぶなんて……と迷うのも一瞬。割と早く選べるから不思議なものです。

そして、選んだ付箋をA4用紙の真ん中におき、連想するキーワードを書き込んでいきます。(拡散)
連想ゲームのように、どんどんマップに書き込んでいきましょう!

連想ゲームのように、どんどんマップに書き込んでいきましょう!

「マップが完成したら、マップに出たキーワードから新しいお店を考えてください」と次の呼び掛け。「ちなみにその際、利益や立地、ツッチーの労働時間とか、世の中のしがらみは全く考えなくていいです。そしてA4の用紙に新しいクニザケ屋の企画書を作ってください!」

「えーー!」と言いながらも、またも作業は順調に進んでいく不思議。
皆さん「PLAYFUL(楽しさ)」全開だからこそ。楽しむって本当に大事ですね!

さて、完成したらいよいよプレゼンです!楽しく張り切っていきましょう!

グループ①(飲兵衛チーム)

「お帰りなさい&お疲れさま!」夜の海の家OPEN! いつでも行きたいのだそう!
副題は「クラゲのように漂って」だそう!(スイスはどこに?笑)

副題は「クラゲのように漂って」だそう!(スイスはどこに?笑)

グループ②(女性チーム)

店舗平面をイラストで仕上げてくれました! かなりリアリティあるプレゼンに!
常連客がテーブルに飲み物を届ける見えないベルトコンベア...

常連客がテーブルに飲み物を届ける見えないベルトコンベアーを説明!

グループ③(スタンディングチーム)

「人生の旅酒屋」〜 そこにあるのは一枚の白地図、それは、決して完成されることのない旅へのインスピレーション……このまま使えそうなコピー!
「たまらないたまり場」ってしばりがない感じでいいですね!

「たまらないたまり場」ってしばりがない感じでいいですね!

そして、常連さんからの、復活を望む熱い熱いラブコールまで!
「捲土重来!」え? なんて読むの!? (けんどちょうら...

「捲土重来!」え? なんて読むの!? (けんどちょうらいー捲土の勢いで復活すること)

その横には、みなさんの発表をとても真剣に、かみしめるように聞き入る、店主ツッチーさんの姿が。
 常連さんの熱い思いが、ひしひしと店主ツッチーさんに届...

常連さんの熱い思いが、ひしひしと店主ツッチーさんに届いているよう

みなさんの提案に、ひとつひとつ大事にコメントを返していました

みなさんの提案に、ひとつひとつ大事にコメントを返していました

第一回のワークショップはここまで! 最後に、竹丸さんから総評をもらい、記念写真を撮って終了! みなさんお疲れさまでした!
はい、チーズ!「PLAYFUL」!!!

はい、チーズ!「PLAYFUL」!!!

<竹丸さん総評>

今回は久しぶりに常連さんが集まるとのことで、クニザケ屋さんを擬似オープンしたのがキーポイントでした。ゆったりとした雰囲気の中で、クニザケ屋さんを思い出して改めて知ることと、店主:つっちーのひみつを新しく知ることで、暖かい見えない空気感を醸成していきました。ワークショップでは最初にファシリテーターと参加者の間にまずラ・ポール(信頼関係)を築くことも大事です。が、今回はそれよりも店主と常連さんと初めての方の信頼関係や安心感を作って進ようとプログラムしました。みなさんの想いをその場に出せたことが次に繋がる感いっぱいで、よかったです!
次回は今回のワークショップで出た意見をさらに深め、店舗デザインのプロトタイプを作る予定です! お楽しみに!
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