2020/01/21  カテゴリ 

みん読(みんなで読書)

デザイン思考・入門の入門向け本を紹介!『まんがでわかる!デザイン思考』他

デザイン思考を初めて学ぶかたにおすすめの本2冊!『まんがでわかる!デザイン思考』『実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決』

最近よく耳にするようになった「デザイン思考」、あなたは本当に理解していますか?

はじめまして! この度、みんデザにライターとして関わらせていただくことになりました相川千晶と申します。

私とデザイン思考との出会いは2013年、ITサービス会社の新規事業の立ち上げメンバーとして参加したことがきっかけです。その後も折に触れ、ワークショップやハッカソンなどでデザイン思考に触れる機会はあるものの、実際に身についているかというと、?というのが現状……。そんな状況を変えたく、これからイベントやワークショップの取材を通じて、みなさんと一緒に、デザイン思考の体得に向けて頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

さて、早速ですが、今回のみんデザでは、デザイン思考の入門編の入門といえる、『まんがでわかるデザイン思考』『実践!スタンフォード式デザイン思考』、この2冊の書籍から、デザイン思考の大枠を捉えていきたいと思います。この2冊を押さえておけば、「デザイン思考ってなに?」と聞かれてももう困りません!

誰でもできるイノベーションの起こし方。デサイン思考入門の入門!

1冊目は『まんがでわかる!デザイン思考』です。デザイン思考とは? という概念から、実際にどうやって実務に落とし込んでいくのかというところまでが、ストーリーとして展開していくのでとてもわかりやすく、すんなりと頭に入ってきます。

かんたんにあらすじを説明すると、主人公・三島雄介はカフェチェーン「SHEE−n(シーン)」の入社3年目社員で、品河店の店長をまかされています。

その雄介が突然上司である部長に呼ばれ、不採算店の丸の口店への異動を命じられます。丸の口店は使えない社員を異動させ、追い出すための店舗だといわれるほどの最悪の赤字店。

雄介は部長になぜ自分が? と問い詰めますが、部長は「お前には創造力がない。本社は真面目で堅実な社員ではなく、会社を大きくできる創造力を持った人材を求めている」と言います。この異動で結果を出せるかどうかが雄介の会社での今後に大きく関わっていきます。

真面目しか取り柄がないと同僚にも馬鹿にされている雄介が、どのようにデザイン思考に出会い、店を立て直すのでしょうか? 絶体絶命! というところから物語はスタートします。そんな雄介に救世主が現れます。カフェで悩んでいる雄介の様子を「観察」していた1人の客・大手企業会長の大西氏。デザイン思考に造詣が深い大西氏から教えを受け、美大生のアルバイトスタッフたちとともに、店舗のイノベーション、立て直しに挑戦していきます。

デザイン思考の基本
(1)潜在的ニーズを見つける「着想」
(2)アイデアを創造・構築・検証する「発案」
(3)市場に導入する「実現」

この3つのプロセスを使い、登場する数々のノウハウや活用法、各章の解説記事を通じて、初心者にもデザイン思考が理解できる内容・構成になっています。

毎章ごとにデザイン思考の真髄といえるようなセリフやまとめがでてきます。それを読むだけでもデザイン思考の大枠がつかめますよ!

とくに胸に響いたセリフは……

・デザイン思考に必要なのは「自分には創造力がある」という覚悟だ!
・「客の声」を安易に信じるのは危険だな。「未来を」客に聞くのはやめたほうがいい。客は自分の知っている現実と比較してしかモノを言わない。
・うれしい、楽しい、安らぐ、気持ちいい。この世のモノ・サービスはすべて対象となる「人間の心」をポジティブにするために存在する
・観察する、それは「自分の思い込みを捨て、その光景を初めて見るかのような気持ちで謙虚に見る」ことだ
・いかなる個人よりも全員のほうが賢い
・観察としてのインタビューのポイントは「なぜ?」を5回以上繰り返して聞く
・ブレインストーミングを成功させるには真面目に遊ぶこと

★『まんがでわかる!デザイン思考』・入門ポイント

この書籍から学べることは、何気ない日常生活の中で小さな感情が動く「バグ」を見逃さず、「普通を見直す」ということ。それを習慣化し、観察のセンサー感度を磨くこと。そして、いつも何かのテーマを見つけてブレインストーミングをするなど、デザイン思考を日常のあらゆるところで実践し、何度も繰り返すことが大事!
身につけたものを一人でもいいので実際に使ってみるのがマスターへの近道ですね。

実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決 できるビジネスシリーズ

入門編の入門、2冊目は『実践 スタンフォード式 デザイン思考 世界一クリエイティブな問題解決』です。

著者のジャスパー・ウー氏は、デザイン思考教育の総本山であるスタンフォード大学d.school在学中に、デザイン思考のファシリテーターとしてキャリアをスタートし、卒業後は楽天やメルカリでデザイン思考を実践しました。

第1章では、デザイン思考を学ぶ前の心構えや自身がデザイン思考を学ぶことになった経緯やd.schoolでの体験がまとめてあります。

第2章は、具体的なデザイン思考のプロセスについて紹介しています。
デサイン思考のプロセスは(1)共感、からはじまり、(2)定義、(3)アイデア、(4)プロトタイプ、(5)テストです。
おなじみの六角形!?デザイン思考の5つのプロセスです。

おなじみの六角形!?デザイン思考の5つのプロセスです。

このプロセスの前に(0)問題提起(トピックを決める)があります。スタンフォード大学d.schoolでの最初の授業では、
「インスタントラーメンを食べる体験をデザインする」
「子どもたちが食べる物を健康的にする」
「英語を母国語としない子どもたちの英語学習環境を考える」の3つだったそうです。どれも面白そうなテーマですよね!


第3章では、振り返りシートなど、実際のワークショップの現場で使用しているツールキットの紹介、第4章では、チームを活性化させるファシリテーションのやり方についてまとめています。

第5章では、1章から4章までのこれまで実践してきたデザイン思考の具体例を踏まえ、これからの未来にデザイン思考をどう生かすか、見解を述べています。


デザイン思考で重要なのは、問題を解決するだけではなく、問題を発見すること。その中でジャスパー氏が特に解決しなければいけないと考える問題は以下のものです。

技術に関する問題
1.便利さとプライバシー
2.AIとモラル
3.持続可能性

人々に関する問題
1.多様性と許容
2.物事のバランス(リソース・ジェンダーなど)
3.障害がある方へのアクセシビリティー

大企業の個人情報流出問題など、すでにプライバシーの問題は起きていますし、バイオの世界ではゲノム編集(遺伝子操作など)の技術が進んでいますが、中国でヒト受精卵を使った実験が話題になるなど、特にモラルが問われるところです。持続可能性から考えると、自分たちの作っているものが未来のユーザーへどのような影響があるかなど長期的な視野が必要になります。

人々に関する問題は、文化やカルチャーの中で起こりえます。日本の企業においても、社内のトイレや案内板など、LGBTやマイノリティの方でも使いやすい環境になっているとは言い難い状態です。また、東京では交通渋滞や満員電車が解消できない一方で、地方では過疎化や空き家問題が深刻になるなど、都市一極集中型など物事のバランスにおいても問題があります。

このような問題を解決するにはUX(ユーザー体験)やCX(顧客の体験)EX(働いている人の体験)といった個々の「体験」を考えることがますます重要になります。体験を考えるには、数値化されたビッグデータだけでなく、シックデータがとても大事です。

耳慣れない言葉だと思いますが、シックデータとは、人間の経験や行動における感情や気づきに関するデータです。定量的なデータにシックデータを加えることで、ユーザーの体験、お客様の体験、従業員の体験を深堀りできるのです。

★『実践 スタンフォード式 デザイン思考』・入門ポイント

実際にデザイン思考を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか?

デザイン思考は「考え方」であって、「方程式」のような「ある問題に対する決まった解き方」とは異なります。つまり、特定の問題を目にした場合のみではなく、普段からデザイン思考の考え方をベースに、自分なりのアレンジを加えて、問題解決に用いること。そして継続的に使い続け、自分自身で身につける必要がある、と述べています。
全章を通じて「実践」に重きをおいて自身の体験や具体例をわかりやすく紹介しているので今すぐやってみたい! と感じました。

この入門編の2冊を通じて共通しているのは、デザイン思考を身につけるには、「まずデザイン思考をやってみる」こと(実践)。そして「何度も何度も繰り返す」こと(継続)でした。
私自身も日常生活にデザイン思考を取り入れて、少しずつ継続していこうと思います!
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