2020/05/21 カテゴリ
よんでみた!
「デザイン思考」は幸せに生きるためのライフスキル 。佐宗邦威『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』
目次
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の猛威が、全世界を覆っています。このウイルスの出現により、私達の生活は、数ヶ月前には想像でもできなかった、大きな変化を経験しています。
「#stayhome」のこの時期に、ぜひ手にとってほしい本があります。それは『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(クロスメディア・パブリッシング)です。今、自分なりのイノベーションをおこす思考法が、みなさんの役に立つことを願って、ご紹介します。
著者・佐宗邦威氏とは?
本書が出版されたのは2015年。私の肌感覚で恐縮ですが、ちょうどその頃くらいから、これまでベンチャー界隈など一部の分野で注目されつつあった「デザイン思考」が、より一般に認知されてきた頃だったと思います。
「デザイン思考」を使ったら革新的なアイディアが湧くらしいよ、新規事業やビジネスに取り入れていこう、という空気感が漂ってきたようなタイミングだったと思います。
著者の佐宗邦威氏は、現在はデザイン思考などを用いた商品開発やリブランディングに取り組む共創型戦略デザインファームBIOTOPEの代表をされています。
東京大学法学部を卒業後、外資系消費財メーカーで、論理的思考を武器にブランド・マーケティングの仕事をしていました。その時、既存のビジネスを回すだけではなく、市場のルールを変えてしまうようなイノベーションを起こすことができる一流のマーケターになりたいと思い、模索しはじめます。
試行錯誤を続ける中、ダニエル・ピンク著『ハイ・コンセプト』という本に出会います。その中では、新しいことを考え出す人の時代における「6つの感性」として、共感、デザイン、物語、遊び心、全体の調和、意義、が挙げられていました。
「デザイン思考」を使ったら革新的なアイディアが湧くらしいよ、新規事業やビジネスに取り入れていこう、という空気感が漂ってきたようなタイミングだったと思います。
著者の佐宗邦威氏は、現在はデザイン思考などを用いた商品開発やリブランディングに取り組む共創型戦略デザインファームBIOTOPEの代表をされています。
東京大学法学部を卒業後、外資系消費財メーカーで、論理的思考を武器にブランド・マーケティングの仕事をしていました。その時、既存のビジネスを回すだけではなく、市場のルールを変えてしまうようなイノベーションを起こすことができる一流のマーケターになりたいと思い、模索しはじめます。
試行錯誤を続ける中、ダニエル・ピンク著『ハイ・コンセプト』という本に出会います。その中では、新しいことを考え出す人の時代における「6つの感性」として、共感、デザイン、物語、遊び心、全体の調和、意義、が挙げられていました。
via note.com
このような「6つの感性」を磨くには「デザイン思考」が必要だと感じ、本格的に学びを進めるため、イリノイ工科大学デザインスクール(ID)に留学します。
その時の留学の様子は、フェイスブック上のブログ「Design School留学記~ビジネスとデザインの交差点」(https://www.facebook.com/DesignSchoolLife/)
で公開され、オンタイムでデザイン思考を学べる大学院のリアルな情報が掲載されていました。本書はこちらのブログをベースに書かれています。仲間と一緒に課題に取り組みながら思考法を磨いていった学生生活の様子とともに、デザインスクールの授業内容、メソッドやフレームワークが多数紹介され、きわめて具体的かつ実践的です。
実際に授業で使用されたポストイットやスケッチメモ、文房具なども豊富なビジュアルとともに紹介されていて、見ているだけで自分も参加しているような気分でワクワクしてきます。
本書はchapter0~6の全7章で構成されていますが、その中でも特にこれからの未来を生き抜くために必要な、デザイン思考の「思考法」と「ライフスキル」について、参考になる箇所を紹介したいと思います。
その時の留学の様子は、フェイスブック上のブログ「Design School留学記~ビジネスとデザインの交差点」(https://www.facebook.com/DesignSchoolLife/)
で公開され、オンタイムでデザイン思考を学べる大学院のリアルな情報が掲載されていました。本書はこちらのブログをベースに書かれています。仲間と一緒に課題に取り組みながら思考法を磨いていった学生生活の様子とともに、デザインスクールの授業内容、メソッドやフレームワークが多数紹介され、きわめて具体的かつ実践的です。
実際に授業で使用されたポストイットやスケッチメモ、文房具なども豊富なビジュアルとともに紹介されていて、見ているだけで自分も参加しているような気分でワクワクしてきます。
本書はchapter0~6の全7章で構成されていますが、その中でも特にこれからの未来を生き抜くために必要な、デザイン思考の「思考法」と「ライフスキル」について、参考になる箇所を紹介したいと思います。
右脳と左脳の両方を活用したハイブリッド思考とは?
第1章では、デザイン思考の1丁目1番地、「デザイナーの思考法」について紹介されています。
思考法というと、ロジカルシンキングなど左脳による論理的思考が有名ですが、IDに通うデザイナーが目指す思考スタイルは、左脳と右脳の両方を活用した「ハイブリッドな思考」です。
それは、左脳の論理力と、右脳のイメージ力を両方バランス良く使いながら、自分ならではのユニークな切り口を出すという、創造=「知的生産」を日々実践することです。
ハイブリッド思考を成り立たせている「インプット」✕「発想のジャンプ」✕「アウトプット」という3つの要素の変数を、限られた時間を有効に使いながら、それぞれの質を高めていくことで、知的生産性が大きく上がっていきます。
思考法というと、ロジカルシンキングなど左脳による論理的思考が有名ですが、IDに通うデザイナーが目指す思考スタイルは、左脳と右脳の両方を活用した「ハイブリッドな思考」です。
それは、左脳の論理力と、右脳のイメージ力を両方バランス良く使いながら、自分ならではのユニークな切り口を出すという、創造=「知的生産」を日々実践することです。
ハイブリッド思考を成り立たせている「インプット」✕「発想のジャンプ」✕「アウトプット」という3つの要素の変数を、限られた時間を有効に使いながら、それぞれの質を高めていくことで、知的生産性が大きく上がっていきます。
via note.com
ハイブリッド思考を成り立たせている「インプット」「発想のジャンプ、」「アウトプット」というのは、以下のように定義されています。
インプット:大量のビジュアルデータを集める、現場での観察、インタビューなどの一次情報を元にしたビジュアルシンキング
ジャンプ:発想を飛躍させるために強制発想(新結合)や弁証法的思考、まったく違うものに共通点を見つけるアナロジー(類推)思考、前提を壊す
アウトプット:1枚で表現するという制約を設けたフォーマットを使う、ストーリーテリング、パワーポイント以外の体験の可能性を考える(即興劇、モックアップ)
それでは、具体的にハイブリッド思考を身につけるにはどうすればいいでしょうか?
デザイナーの思考法に習い、まず大量のビジュアルや一次データをインプットします。
そして、それに対し、組み合わせをずらしたり、逆張りしたり、混ぜ合わせて、ひたすら新しい組み合わせを考えます。
最終的に、取り留めなくなったアイディアに対し、余計なものを削ぎ落とし、一番重要な点を整理し、ストーリーテリングや体験など、アイディアをもっともよく伝えるためのやり方で表現していきます。
それを繰り返すことで、自分なりの新しい切り口のアウトプットを作れるようになっていきます。
そして、常に新しい切り口を探すための思考を、日々実践していくことが必要です。
インプット:大量のビジュアルデータを集める、現場での観察、インタビューなどの一次情報を元にしたビジュアルシンキング
ジャンプ:発想を飛躍させるために強制発想(新結合)や弁証法的思考、まったく違うものに共通点を見つけるアナロジー(類推)思考、前提を壊す
アウトプット:1枚で表現するという制約を設けたフォーマットを使う、ストーリーテリング、パワーポイント以外の体験の可能性を考える(即興劇、モックアップ)
それでは、具体的にハイブリッド思考を身につけるにはどうすればいいでしょうか?
デザイナーの思考法に習い、まず大量のビジュアルや一次データをインプットします。
そして、それに対し、組み合わせをずらしたり、逆張りしたり、混ぜ合わせて、ひたすら新しい組み合わせを考えます。
最終的に、取り留めなくなったアイディアに対し、余計なものを削ぎ落とし、一番重要な点を整理し、ストーリーテリングや体験など、アイディアをもっともよく伝えるためのやり方で表現していきます。
それを繰り返すことで、自分なりの新しい切り口のアウトプットを作れるようになっていきます。
そして、常に新しい切り口を探すための思考を、日々実践していくことが必要です。
ハイブリッドな思考法を実践するときのポイント
ビジネスマンに多い左脳優位の人が、右脳思考を実践していくためには捨てないといけないことが2つあります。
1.すべての情報を厳密に処理しない
膨大なビジュアル情報を完全に分析することは不可能です。これまでに慣れ親しんだ、厳密に情報をまとめないといけないという真面目すぎる心がけを捨てる必要があります。