2019/11/06  カテゴリ 

みん読(みんなで読書)

11月のみんデザおすすめ本 読書からデザイン思考を始めてみよう!

デザイン思考についての本を編集部で読んで、みなさんにご紹介する、そしてみんなで一緒に読んでいきたい! 「みん読」のコーナーです。みんデザは「実践コミュニティ」として、メンバーそれぞれが学んだことをみんなで共有して、プロジェクトに活かします。先月、実際にメンバーが読んで、他のメンバーシェアしたい! と思った本をここで発表! ぜひみなさんも手に取ってみてくださいね。

21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由

デザイン思考を学ぶ、プチ留学気分を体験!経営者やビジネスパーソンに特におすすめ

1冊めは『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(クロスメディア・パブリッシング)
著者の佐宗邦威さんが留学経験やプロジェクトを通じて、これからのビジネスになぜデザイン思考が必要か、を学んだ記録が書かれています。

佐宗さん自身、もともとは外資系企業の「左脳派」マーケッターでした。彼がどうやって右脳的な考え方を身に付けたのか。その軌跡を実物の講義ノートやワークショップの写真などを見ながら追体験できます!
基本的なデザイン思考の方法論も書かれており、デザイン思考ではこうやってアイデアを出して、整理するんだ! とイメージをつかむにはもってこいです。

各章末に、デザイナーの常識とビジネスの常識とが対比して書かれています。たとえば、プレゼンにおいて、ビジネスの世界では普通と思われている

・リサーチはファクトだけを集めるべし
・プレゼンは、正しさで説得する
・エグゼクティブサマリーは3つの要点を

これらに対して、デザイン思考では、

・リサーチはインスピレーションの湧くビジュアルを探す
・プレゼンは、印象的なストーリーで共感を得る
・サマリーは1枚の絵で表現する

と正反対のことが書かれています。
個人的にはどっちも大事だと思うので、両方をマスターして使い分けることができると、スーパーなビジネスマンになれると思いました。

デザイン思考とは無縁のビジネスパーソンの方が本書を読むと、まったく違う「直感と論理を大事にする世界」に触れることができワクワク必至。留学したくなっちゃいますね(笑)

デザイン思考ってどういうもの? 大枠をつかんでみたいなと思ったら手に取ってみてください!

アイデアがどんどん生まれる ラクガキノート術(実践編)

気軽にできるラクガキから、デザイン思考を始めてみよう!

みんデザでインタビューさせていただいた(記事はこちら!)、デザイナーであり、グラフィックカタリストのタムラカイさんの本『アイデアがどんどん生まれる ラクガキノート術 (実践編)』(エイ出版社)です。

デザイン思考のプロセスで大事なことは、手を動かしてプロトタイプを創ること。
まさしくラクガキをすることは自分の考えを手を動かして表現することです。
ラクガキにすると言葉では表現できないアイデアを伝えられる。そして、新しいアイデアが広がっていく!

でも「自分には絵心なんて無いし……」なんて思っていませんか? ラクガキは絵画でも芸術作品でも無いので、うまく描こうなんて考えなくても大丈夫。
この本では誰でも簡単に人の表情や、図形・アイコンを描く秘訣が載っています。
私も実際に練習してみましたよ!
ラクガキを練習してみた! ちょっとは上手くなれたかな…!?

ラクガキを練習してみた! ちょっとは上手くなれたかな…!?

繰り返して練習しているうちに不思議と上手になってきた気が(!?)します。

デザイン思考のプロジェクトでは、ユーザーインタビューをし、ペルソナを設定して、カスタマージャーニーマップを描きます。
本書では、カスタマージャーニーマップにラクガキを取り入れた「ラクガキジャーニーマップ」のつくり方も紹介されています。ラクガキジャーニーマップを描いたあとは、観察した内容を「ラクガキ共感マップ」にまとめる。

タイトルだけをみるとデザイン思考と関係ないのでは? と一瞬思いますが、実はデザイン思考のプロジェクトに必要なことを学べる本なのです。
薄くて、いつも持ち運びできるのもとてもうれしい! さっそく読んで、空き時間にラクガキを練習してみましょう!

感動のメカニズム 心を動かすWork&Lifeのつくり方

人間中心思考は「感動」を分析することから始まる!

デザイン思考では「人間中心思考」で、製品やサービスを考えます。
これまでの製品は作る側の都合や論理によって、作られてきたものが多々ありました。でも、これからはユーザーひとりひとりの気持ちや感情を汲み取ってサービスをつくることがとても重要になります。
言い換えれば、ユーザーは何に「感動」をするのかを知るのが大事!

本書『感動のメカニズム 心を動かすWork&Lifeのつくり方』(講談社)では、幸福学研究の第一人者である前野龍司先生(みんデザ主催の前野先生ワークショップレポートはこちら)が考え出した、感動を分析する方法「STAR分析」が紹介されています。 

STARとは、感動の要素を4つに分解して、
五感で感じた感動(Sense)
頭で考えた感動(Think)
動きや変化による体験の感動(Act)
人やもののつながりによる感動(Relate)

このSense、Think、Act、Relateの頭文字を取ったもの。
分析の詳細は本を読んでのお楽しみ! 
かんたんに言うと、サービスを使ったユーザーに、感動体験について自由記述のアンケートを書いてもらいます。その内容をSTARに分類するのです。

類似企業間で分析すると興味深い結果が出てきます。たとえば、トヨタではS、Tの要素が多く見られるのに対して、ホンダでは、A、Rがたくさん見られます。

トヨタの製品については「自分の」思い出に残るものが多く、
(例:センチュリーのシートはふかふかですごい)

ホンダでは「何かの対象」に対する感動、映像として覚えている
(例:アイルトン・セナがブラジルGPで優勝するのをみてすごいと思った)

このように各企業で感動を与える要素は違う! という興味深い結果がわかります。

この本を読んで一番いいなあと思ったこと。
STAR分析は商品やサービスの分析に使われていますが、実は、自分の人生の振り返りや、他の人との感動の共有に使えること!
家族や身の回りの人と、感動を共有したり、ワークショップで参加者のみんなと感動体験を語りあったり。お互いの信頼関係を強め幸せな人生を送るために、自分はそして他の人は何に感動するのか、あらためて考えてみてもいいですね!

デザイン思考のつくりかた

企業での、デザイン思考プロジェクトの実践例が豊富!

「デザイン思考って、実際企業や商品開発の現場ではどう使われているのだろう?」
「デザイン思考のプロジェクトって、なかなか人を巻き込んで動かすのは難しいんだよなあ」

デザイン思考のことは何となく知っていても、実際に会社や身の回りで実践するのは難しい……そう考えている方は多いのでは?

本書『デザイン思考のつくりかた』(日経BP)ではカラーで(これ大きなポイント! 読むモチベーションが上がります)、実際にデザイン思考を取り入れて商品を開発した事例や、企業でデザイン思考のプロジェクトを行ったときに、どうやって困難を乗り越えたか、が描かれています。

現場の視点、クリエイターの視点、そして経営者の視点がインタビューによって描かれており、どの立場の方が読んでも参考になります。
自分の会社でデザイン思考を取り入れた活動を検討したい! と思っている方はまず本書を手に取ってみましょう。

実際にデザイン思考のプロジェクトを導入している企業は、「新しいやり方でものを作ってみよう」「楽しんでプロジェクトをやってみよう」と草の根的な活動から始まっていること! その「生き生きとしている様子」を今後、みんデザでは取材したいと思っています。

おわりに

今回ご紹介した4冊、どれから読んでもOK。興味を持てそうなものから1冊ずつ読んでみましょう! そして、読んだら、日常生活でもお仕事でも、読んだことをちょっとずつ試してみるといいと思います!
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幸福学

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ラクガキ

佐宗邦威