2019/10/24  カテゴリ 

きいてみた!

明日から使える!〜会議で対話がうまれる「ラクガキ」の秘訣を聞きました!

デザイン思考の「共創」を、より楽しく活性化するツールのひとつとして、「ラクガキ」があるのはご存じですか? 今回は「ラクガキ」を、ビジネスに活用している人たちがいるということで、お話を伺ってきました!

デザイン思考の「共創」には、対話がうまれる場づくりが必要ですよね!(必要性を詳しく知りたい方は、こちらをチェック!)

そんな「共創」を、より楽しく活性化するツールのひとつとして、「ラクガキ」があるのはご存じですか?

「ラクガキって、授業中にノートの端に描いてたアレのこと?」
そう、アレのことです! 大人になりいつの間にか「絵は苦手……」と思っている方も、子どもの頃は純粋に、ラクガキを楽しんでいたのではないでしょうか!

今回は、そんな身近な「ラクガキ」を、ビジネスに活用している人たちがいるというので、お話を伺ってきました! すぐに使える、目からウロコ! のラクガキの秘訣も教えてもらったので、苦手意識がある方も、ぜひトライしてみてくださいね。

編集部もさっそく体験!対話がうまれるラクガキマジック

到着したのは、富士通デザイン株式会社さんのオフィス。
どうやら、富士通の社員さんでありながら、社内外のメンバーを巻き込んでコミュニティチームを組み、ラクガキをビジネス活用している方々がいるようです。
いったい、どんな活動なのでしょうか?その辺りから聞いていきましょう!

迎えてくださったのは、トレードマークのドット柄シャツがお似合いの タムラカイさん(タムカイさん)と、朗らかな笑顔がお美しい 松本花澄(かすみさん)さんです。

編集部:初めまして。よろしくお願いします!
左:かすみさん、右:タムカイさん。ドット柄がお似合いです。

左:かすみさん、右:タムカイさん。ドット柄がお似合いです。

お二人:よろしくお願いします〜!
<プロフィール>
タムラカイ:
デザイナー / ラクガキコーチ / グラフィックカタリスト
「世界の創造性のレベルを1つあげる」をミッションとして、人材育成や組織マネジメント、チームビルディングについてのワークショップや、オリジナルのツール開発などを行なう。
自身の経験をベースに「ラクガキ」から生み出したコミュニケーションメソッド「エモグラフィ」や、グラフィックレコーディング・ファシリテーションなど、「描く」という表現行動を用いた分野ではトップランナーの1人として、大型カンファレンスや様々なイベントなどで活動している。

松本花澄:
グラフィックカタリスト / HCD-Net認定 人間中心設計専門家
UXデザイン・コンサルに携わるなかで、思考/議論の可視化や共創に興味を持ち、自身のスケッチノートやグラフィックレコーディングを公開する「えほんやく」の活動を開始。2016年富士通デザイン株式会社に入社し、より上流の体験価値創出や共創によるイノベーション創出を担当。様々な現場で「描くこと」を通して、「参加者の当事者感を高め、次の一歩を踏み出す支援をすること」を目標に活動している。
編集部:まず、お二人はどういったチームなのでしょうか?簡単に教えてください!

タムカイさん(以下、タムカイ):私たちは、「グラフィックカタリスト・ビオトープ」というチームを組んで、「絵を描くこと」を通して、皆さんの思いを「見える化」する活動をしています。
世間的には「グラレコ(※)」という言葉で注目を集め始めていますが、僕たちは「グラフィックレコーダー」ではなく「グラフィックカタリスト」と称して活動していて、会議のレコーディングをするだけでなく、ファシリテーションを含めた「場づくり」まで関わることも多いです。
(※グラレコ:グラフィックレコーディングの略称。議論や対話、イベントの内容をリアルタイムに絵や文字で表現する手法)

編集部:それは、社内活動なのでしょうか?

かすみさん(以下、かすみ):社内も社外も、どちらもあります。社内だと、私は役員会議などの相談が多いです。会議に入り込み、グラフィックレコーディングなどの可視化手法を使って、普段の会議では言いにくいようなことを聞き出す仕事をしています。社外でも、組織開発の場などに入って、お互いの思いを伝え合う「場づくり」のお手伝いをすることが多いですね。例えば……
すてきな笑顔でインタビューに答えてくれるかすみさん。ん...

すてきな笑顔でインタビューに答えてくれるかすみさん。ん?その横で……

編集部:ん?ちょっと待ってください。そうこう話している間に、タムカイさん、なにか書いてますね。それはなんですか?

タムカイ:あ、すみません。癖で(笑)
ずいぶん怖い顔でメモしているなと思っていたら……

ずいぶん怖い顔でメモしているなと思っていたら……

編集部:えっ!いつの間に!?(わいのわいの、盛り上がる編集部メンバー)

タムカイ:もともと、僕は、人と話す時は必ずラクガキをしている人間でして。自分の中では、描くことが当たり前なんですよね。隣にいるかすみんもそう。「グラフィックカタリスト・ビオトープ」は、そんなメンバーが集まりできたチームです。

編集部:なるほど。お二人の活動のアウトラインが見えてきました!
そして、タムカイさんのラクガキのおかげで、なんだか一気に場が和み、俄然インタビューしやすくなりました。これぞ、ラクガキマジックですね!

イラストを仕事で活用するようになったきっかけは?

編集部:さて、場が和んだところで、いろいろとお伺いできればと思うのですが、おふたりは、最初からイラストを仕事に活用していたのでしょうか?それとも、何かきっかけがあったのですか?

かすみ:私はもともと、前職でUXデザインやコンサルの仕事をしていました。クライアント先にパワポで作った資料を持っていくのですが、「サービスを使うことでユーザーにどうなってほしいのか」「サービスの目指すべき方向性」など、私が提案したいことがなかなか伝わらず、ジレンマを感じることが多くて。皆さん、言葉尻りやグラフの精度などに目が行きがちなんですよね。中には内職を始めてしまう人もいらっしゃったり。
「言いたいことが全然伝わらないな」と。そんなある日、上司に「そのノートを持っていけば?」と言われたんです。

編集部:ノート、ですか?

かすみ:はい。私はもともと、話したいことをノートにイラストで描いてから、その内容を言語化してパワポ資料を作っていまして。「そのノートを、そのまま見せたらいいんじゃない?」と。持参してみたら「こんなに考えてくれていたんですね!」と、とても喜ばれ、「見てもらえた! 伝えたいことを伝えられた!」と手応えを感じました。

編集部:それは、とても興味深い体験ですね! そのノート、ぜひ拝見してみたいです。

かすみ:ノートの実物はないですが、ノートをスキャニングして、当時の体験をイラストで書き起こしたものがあります。それを見ていただくとわかりやすいかも。
そう言いながら、数秒でパソコン画面を私たちに向ける、か...

そう言いながら、数秒でパソコン画面を私たちに向ける、かすみさん。仕事が早い!

編集部:これがその時のノートですね。確かにとてもわかりやすい! 今お伺いしたお話も、言葉だけでなくイラストがあることで、その時のかすみさんの気持ちやクライアントさんの様子が、よりわかりやすく、瞬時に伝わってきました!

ーーこちらが、かすみさんが当時の体験をイラストに起こしたもの。
読者の皆さんにも、イラストの伝わりやすさをぜひご体感いただきたく、一部抜粋で、4コマ漫画風にお届けします!(byみんデザ編集部編)
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