2020/11/08  カテゴリ 

イベント

西村悠氏による「d.school Starter kit デザイン思考ワークショップ」〜イベントレポート

デザイン思考の総本山、d. schoolで使われている教材、Starter Kitの日本語版を使ったワークショップに参加してきました!

こんにちは! みんデザ編集部です。
9月下旬のある日、編集部でデザイン思考についての新着記事を調べていたら……
「翻訳、公開しました。d. school Starter Kit のワークショップを開催します。デザイン思考を実践してみたい方、本場d. schoolのコンテンツを味わいたい方、是非に!」

というツイートをたまたま発見。スタンフォードにあるデザイン思考の総本山とも言えるd.schoolのワークショップを、本物の教材を使って体験できる!

さっそく、ツイート主であるd.schoolの受講生、西村 悠さんに連絡し、ワークショップに参加することにしました。今回はそのワークショップの様子をお届けします。
西村 悠氏・プロフィール
2017年、Stanford AI Labに客員研究員として1年間在籍。在籍中にStanford d.schoolの「From Play To Innovation」クラスを受講。
現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所にて、研究技術を事業に変える仕事に従事。
また、デザイン思考エバンジェリストとして、ワークショップの設計とファシリテーションや、デザイン思考研究室というオンラインコミュニティの運営を行っている。
デザイン思考研究室にて、d.school Starter Kitの翻訳や、本ワークショップの主催を実施。
Twitter: https://twitter.com/yunishimura2
デザイン思考研究室: https://www.facebook.com/groups/designthinkinglaboratory

「オンラインワークショップ」スタート!

今回のオンラインワークショップは、オンラインビデオツールZoomを使用しました。
まずはZoomの使い方とグランドルールの説明!
ワークショップ主催の西村 悠さん

ワークショップ主催の西村 悠さん

その後、d.schoolで大切にしている考え方について説明がありました。d.schoolでは、「あいまいさに飛び込んでいく、答えは提示せずに導いていくこと」を重要にしています。

そんな前置きが終わったところで、早速ワークに入ります。ワークは、d.schoolのStarter Kitで実際に使用されるワークショップ動画を見ながら進めていきます。

まず、最初のお題は……

”「デザイン」という言葉はあなたにとってどういう意味ですか?”

みな、自分自身が思う「デザイン」についてチャットに書き込んでいきます。
みんながチャットに「デザイン」について書き込んでいきます

みんながチャットに「デザイン」について書き込んでいきます

・お客さん(見る人)の要求を満たしてあげること
・設計書。その後の地図
・新しい何かの構想を考えること
・視点を変えること
・柔軟にニーズに応じた成果を出せる
・問題解決、製品の外観、製品のコンセプト
・何かを設計すること
デザインは、ユーザに価値を提供するのに使える

など、さまざまな意見が出ました。

デザインについての認識を整理したところで……
動画の続きを見ていきます。その中で、リフレーミングの重要性について触れられています。リフレーミングとは、「問題をとらえなおし、新たな問題を発見する手法」のこと。
リフレーミングの重要性についても、さまざまな意見が参加者から出てきました。

・問題を捉え直すことで、新たな問題が見えてくる
・デザインの幅を広げる
・問題の本質や解決すべき点が、最初のアイデアでは出ていない可能性がある

「ストーク」を初体験!

ここからは、ランダムでパートナーが割り振られ、ブレイクアウトルームでペアワークを行います。

最初は「ストーク」。ストークとは、直訳すると「燃料をくべる」という意味で、場をあたためる、ワークショップなどでよく使われる「アイスブレイク」に意味合いが近いかもしれません。ストークにおける心構えは、「雑にしながら、あたらしいことを生み出していく」「準備せずにすぐにはじめる」「とりあえずやってみる」の3つです。

今回は、お互いの似顔絵を書くストークを行いました。ルールは、手元を見ずに一筆書きで、相手の顔を描くというもの。
手元を見ずに相手の顔を一筆書きで描いてみる!

手元を見ずに相手の顔を一筆書きで描いてみる!

やってみましたが、これがなかなか難しい! 相手の顔を見ることになるので、見ているだけでは照れくさく、お互いニコニコと話すことになり、和気あいあいな雰囲気になりました。

「ジャーニーマップ」から、課題を見つけ出す

ストークで緊張もほぐれたところで、ここから本格的なワークが始まります。最初に取り組むのは、ジャーニーマップ。ジャニーマップとは、デザイン思考でよく使われるもので、時系列をもとに人がどのような感情を持って行動していたかを表すものです。今回はポジティブとネガティブの感情を縦軸に自分の内面を可視化する「昨日のジャーニーマップ」を作りました。

与えられた時間はわずか2分。本当に時間がなく、「打ち合わせをした」「昼間とても眠かった」など、印象に残った数個の出来事しか書けませんでした。
続いて、お互いのジャーニーマップをシェアします。話し手はマップを見せながら体験を語り、聞き手は会話をもとにパートナーのジャーニーマップの「ミラーマップ」を作成します。これが、次のワーク「課題を引き出す」材料になります。

次に、パートナーに対して、もっともネガティブな感情だったポイントについてインタビューして、深堀りしていきます。ここで、先ほど学んだリフレーミングを使います。たとえば、就寝時に感情が下がっていて、「よく寝られなかった」と書かれていたら、「なぜ寝られなかったのか?」と深堀りしてヒアリングすることで、一つの問題解決の切り口に変換できます。
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