2019/09/01  カテゴリ 

やってみた!

幸福学の前野教授と考えよう!「幸福×イノベーション」ワークショップレポート

「幸せ」を科学的に分析・研究している「幸福学」の第一人者、慶應義塾大SDMの前野隆司教授をお招きしたワークショップの様子をお届けします!幸福とイノベーションには密接な関係が!?

突然ですが、みなさん幸せですかー!?
胸を張って「幸せです!」と言える人はどれくらいいるんだろう?  と思ってしまうほど、
世の中は忙しさや閉塞感に覆われている気がします(私だけかも)。

そう、私自身、実は「今幸せです!」と言い切れない状況でして。でも周りには「俺、今チョー幸せ!」と言い切る人がいるのも事実。羨ましい限りですよね。
このおじさま方、いつも「ちょー幸せ!」と言ってそう

このおじさま方、いつも「ちょー幸せ!」と言ってそう

仕事だって子育てだって、上手くいかないことはあるし、「あーもう!」
と思うことも多々あります。でも、ストレスフリーのときは、数時間後にはそんなことはすっかり忘れ、目の前の仕事やものごとにやりがいを持って取り組める。どこからか湧いてくる「充実感」や「ま、いっか!」という感覚。

そう、私は今、「楽しい」「ま、いっか!」と思えていないんだな……
「その違いってなんだろう? なんとか今の状況から脱したいな……」

と思っていたら、「幸せ」を科学的に分析・研究している「幸福学」の第一人者、慶應義塾大SDMの前野隆司教授をお招きしたワークショップがあるとのこと!
前野隆司教授プロフィール

山口県出身。1984 年東京工業大学卒業、1986 年同大学修士課程修了。
キヤノン株式会社、 カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員、 ハーバード大学訪問教授等を経て現在 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。 慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼任。 博士(工学)。専門は、システムデザイン・マネジメント学、 ヒューマンマシンインタフェースデザイン、システムデザイン・マネジメント学、 地域活性化、幸福学、幸福経営学など。
しかもテーマは「幸福学×イノベーション」。「これはもう、私のためのワークショップですよね?」と、ドキドキしながら勢い勇んで参加することに!

「幸せな人生」を手に入れる方法とは!? 「幸福」と「イノベーション」には密接な関係があった!

まずは前野教授による座学でのレクチャーから開始!アジェンダは以下の4つです。

1)イノベーションとは
2)協創とは
3)システム思考×デザイン思考とは
4)幸せの4因子(思考)とは、幸せとは
物ごし柔らかで笑顔が素敵な前野教授。会場全体が、真剣な...

物ごし柔らかで笑顔が素敵な前野教授。会場全体が、真剣ながら穏やかな雰囲気でスタート

4つ目の「幸せとは、をすぐに知りたい!」というのが私の心境でしたが(笑)、おとなしく最初から聞くことに。(当たり前だけど全てを聞いたからこそ納得できました!ちゃんと聞いてよかった!)

イノベーションと幸せの条件はとても似ている!
たとえば会社で「最近イノベーション起きていないな……」と感じるときは、社員が幸せを感じていない、ということ。わわっ!わかる。なんとなく肌感覚でわかる!

でも、逆に言えば「幸福を感じることができれば、イノベーションも起きる!」ということですね。
会場に集まった企業戦士の皆さんも、ツボを突かれて「う!...

会場に集まった企業戦士の皆さんも、ツボを突かれて「う!痛い!」と一瞬なりつつ、うんうん頷く

さて、今回の会場は、今回の企画を協働したパナソニック株式会社の工場跡地を利用して開発された「Tsunashima サスティナブル・スマートタウン」内にある「Tsunashima SST イノベーションスタジオ」。パナソニックさんが共創イノベーション拠点として地域に提供する、メーカーの最新技術が盛り込まれたコミュニティスペースです!

イノベーションってどうやって起きるの?必須条件を教えてもらいました!

さて気になる「イノベーション」が起こる条件は、以下の4つ。ふむふむ!

◆イノベーションが起こる条件
1)枠外思考
2)アイデアの必須条件
3)多様なチーム
4)共創

まず、枠外思考とは、「箱の中を調べ尽くすのではなく、箱の外にある可能性を探る」こと。枠を外せば誰でもイノベーションを起こせる可能性がある!

次にアイデアの必須条件は、
①見たことも聞いたこともないこと(=言われてみれば当たり前であること)
②実現可能であること
③物議をかもすこと(=賛否両論であること)

の3つ。

ふむふむ……「賛否両論」はなんとなく分かる。
実現可能である必要性もわかる。でも「言われてみれば当たり前」でいいのかな?
「見たことも聞いたこともないこと」=「言われてみれば当...

「見たことも聞いたこともないこと」=「言われてみれば当たり前のこと」です。と前野教授

ここで、分かりやすい例として 世界的な発明請負人である濱口秀司さんが手がけられた、プロジェクトエピソードをご紹介くださいました。

ある日、濱口さんは、某パソコンメーカーからの依頼を受け、「ユーザーが格段に使いやすくなる」仕様変更の提案をします。
しかし、依頼企業は「それそこまで必要?仕様変更はあまりに手間とお金がかかる」と全員が反対。

文字通り物議を醸すことに(条件③)
でも、実現可能ではある(条件②)
その方がユーザビリティに優れている(条件①)(言われてみれば確かに!)

結果的に、この3条件が揃った提案は実現!

その提案は、今や「当たり前」に活用され、きっと全パソコンユーザーがお世話になっているものです。

そう、それは「デスクトップのUSB差し口を側面に変える」というもの。
(なんと、昔はUSBの差し口は背面にあったんだって!知らなかった!差しづら過ぎー!)
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