2019/09/01  カテゴリ 

やってみた!

幸福学の前野教授と考えよう!「幸福×イノベーション」ワークショップレポート

「幸せ」を科学的に分析・研究している「幸福学」の第一人者、慶應義塾大SDMの前野隆司教授をお招きしたワークショップの様子をお届けします!幸福とイノベーションには密接な関係が!?

側面にある事が当たり前すぎてそんな開発エピソードがあっ...

側面にある事が当たり前すぎてそんな開発エピソードがあったなんて思いもしませんでした

「専門家や企業は、知識量やこれまでの経験則・常識にとらわれ、どうしても枠の外に出にくい。だからこそ、多様なチームで考えることが必要」と前野教授。

多様なチームの活動成果として生まれる、外れ値である「ブレークスルー」をいかにキャッチできるか、捨てずに拾えるか。それが企業がイノベーションを起こす鍵!
ただし、パフォーマンスの平均値としては、均一集団の方が勝るとのこと。
企業として、何を優先するかですね。

日本人に合った共創方法は「“システム”דデザイン”思考」

「多様なチームで、必須条件のもとに共創」することがだいじ。
「共創」……? 聞いたことあるぞ。デザイン思考のマインドセット(基本的な心構え)ですね! と思っていたら……
「デザイン思考って、日本人にちょっと合わないんですよね」と前野教授。

では、どうしたらいいの!?

デザイン思考をもとにしたワークショップでは、自由にアイデアを出し合い、どんなアイデアもポジティブに受け入れます。アイデアの批判はせずに、質より量が重要。この「発散」のプロセスが、日本人にとってはどうも苦手なようです。
なかなかアイデアを出せなかったり、正しい答えを探したくなったりするのは、日本人の生真面目で奥ゆかしさを良しとする文化も関係していそうですね。
最初は様子見でみんな顔が硬い、確かによくあるワーク...

最初は様子見でみんな顔が硬い、確かによくあるワークショップ風景。笑

そこで、「とにかくアイデアをたくさん出してください!」と何度もワークショップ中に説明して意識付けすると、うまくいくのだそう。「枠」を決めて、ルールを作るのが日本人には合うようです。いっぽうで欧米人は何も言わなくてもアイデアをバンバン出すとのこと。

前野教授によれば、日本人に最適なのは「システム×デザイン思考」。
システム思考とは、わかりやすく言うと、決められたシステムの中でキッチリやること。日本人にとっては得意とする部分ですね。

「システム×デザイン思考」を詳しく知りたい方は、前野先生の著書『システム×デザイン思考で世界を変える』をぜひ読んでみてくださいね。

幸せだな、と思うことを「幸せの4因子」で分解する!

「幸せの4因子」を学んだあとは、幸せ探しにワークショップの旅へ……!
始める前に「幸せ」の分類について説明がありました。
「幸せ」には、「地位財型」と「非地位財型」の2種類があります。

①地位財型の幸せ
他人と比べての成功や勝利のこと。たとえば、金、モノ、社会的地位など。
「美味しいものを食べて満足!」とか「仕事で成果を出しボーナスウハウハ!(笑)」という状態。短期スパンでの心の動き、幸せ感です。

②非地位財型の幸せ
他人との比較は関係なく、自分自身が喜びや幸福感を得られる状態のこと。
「なんだかんだ私の人生、幸せだな~」としみじみ感じ入れるような心のあり方です。ロングスパンに渡る心の状態、いわゆる「well-being」(身体的、精神的、社会的に良好)。
「well-beingな状態こそ、社会全体の幸せにつながります」と前野教授。

今回重要なのは、まさしくこのwell-being!

well-beingに必要な心的要因を因子分析で明らかにし、わかりやすく表現したのが「幸せの4因子」です。

◆幸せの4因子
・自己実現と成長(やってみよう!因子)
・つながりと感謝(ありがとう!因子)
・前向きと楽観(なんとかなる!因子)
・独立とマイペース(あなたらしく!因子)

カッコ内は前野教授がよりわかりやすく表現したもの。子どもでもわかる表現が素敵〜!
「満足も不満も含め、人生全体に満足しているかどうか」がだいじなポイント。
うんうん、わかります! なんだかんだ幸せだなと感じられていると、失敗しても気を取り直せたり、人の失敗も許せたりする。だからこそ、次のチャレンジができますよね!

さて、幸福学を理解したところで、いよいよワークショップ開始!

自分では気づかなった幸せを、ワークショップでみつけよう!

ファシリテーターは、おなじみアルテナラの武丸さん。いつ...

ファシリテーターは、おなじみアルテナラの武丸さん。いつも笑顔が素敵ですね!

「今回のワークショップのねらいは、幸せについて、幸福学の視点から自分の状況をみること。自分の周り(仕事や家庭など周辺)との関係に幸福学をあてはめてみること」

①まずは自分が幸せと感じること、幸せと感じる場面を挙げていきます!

時には上を見上げて考えながらも、割とすらすら出てくる皆...

時には上を見上げて考えながらも、割とすらすら出てくる皆さん。頼もしい!

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