2019/10/24  カテゴリ 

きいてみた!

明日から使える!〜会議で対話がうまれる「ラクガキ」の秘訣を聞きました!

デザイン思考の「共創」を、より楽しく活性化するツールのひとつとして、「ラクガキ」があるのはご存じですか? 今回は「ラクガキ」を、ビジネスに活用している人たちがいるということで、お話を伺ってきました!

プレゼンで悩んでいたかすみさんに、上司がひとこと「それ...

プレゼンで悩んでいたかすみさんに、上司がひとこと「それ持って行けばいいじゃん」

プレゼンは大成功!かすみさんはそれからイラストを活用す...

プレゼンは大成功!かすみさんはそれからイラストを活用するように!

(全編は、記事文末のリンク先からもご覧いただけますので、ぜひ!)


編集部:いや〜、いいものを見せていただきました。ありがとうございます! ちなみに、パワポとイラストは、同じ内容だったのでしょうか?

かすみ:はい、同じです。お客様に見せる提案資料って、こういう絵は失礼だと勝手に思い込んでいて、パワポには全く絵を入れていませんでした。ノートは絵ばかりでしたが(笑)
当時はグラレコという言葉も知らず、絵を描きながら考える方が私にはやりやすかっただけなのですが、「自分の頭を整理するための可視化」だったイラストが、「伝えるための可視化ツール」になった瞬間でした。

編集部:パワポ資料にしたら、伝わらないものがあった。そこには何か、落っこちてしまったものがあると思うのですが、それは何だと思いますか?

かすみ:「感情」かな、と思います。私の絵は感情表現が豊かなのが特徴で、例えば「人とウェブサービスがどういう関係でありたいのか」をイメージするために、顔や手足があるウェブブラウザが、人と手をつないだり踊ったりしている絵を描いたりしていました。しかしもちろん、パワポ資料にはそんな絵は入れておらず、言葉だけでそれを表現しようとしていました。その言葉にどんな感情が込められているのか、どんな文脈があってこの言葉を導き出したのか、そういうところが抜け落ちていたのかな、と思います。
図や文字情報では伝わりきらないものがある、とかすみさん

図や文字情報では伝わりきらないものがある、とかすみさん

編集部:確かに、先ほどのエピソードも イラストを見せていただいたら、関わる方の「感情」や「場の空気感」みたいなものが瞬時に伝わってきて、お話だけで想像していたよりも グン! と理解が深まりました。「行間を読む」という言葉がありますが、読み取ろうとしなくても、イラストがそれを補完してくれるというか。スピードを求められる時代だからこそ、イラストの役割は大きいかもしれませんね。
もうひとつ、かすみさんにお伺いしたいのですが、会議の場でイラストを活用することのメリットは何だと思いますか?

かすみ:普通に話し合っていると、「誰が言ったか」が重要になってしまうことがありますよね。
でも全員の意見を役職や声の大小関係なくグラフィックレコーディングすることで、紙の上では全員が平等になり、参加者に安心感を与えることができます。「人対人」のバトルになりやすいシチュエーションでも、紙に描くと一歩引いて客観的に見られるようになる。自分の意見を言いやすくなるし、相手の意見も聞きやすくなるんです。

編集部:「場の安心感」と「客観性」がうまれることで、フラットな対話がしやすくなるということですね。共創には欠かせないポイントです!

共に成長し合える関係性が、本業にも良い効果をもたらす

編集部:タムカイさんは、以前からイラストを仕事で活用していたのですか?

タムカイ:僕の場合は、仕事とイラストがくっつくことはなくて。あくまで仕事とは別に、イラストを描くことをしていました。
10数年前、望まないジョブローテーションをきっかけに「富士通さん」ではなく「タムラさん」と呼ばれるようになりたいなと思い、最初はブログを始めたんです。でも、そこそこ注目を浴びるようになった時に、「あれ?俺、ブログやりたかったんだっけ?」とふと気がづいて(笑)
そんな頃、ブログの挿絵を見た知人から、「絵を教えてほしい」と言われまして。彼は「絵を描くのが楽しいと思ったことがない」と言うんですよね。僕は、うまい絵の描き方は教えられないけれど、ラクガキを楽しく描くことだったら伝えられる。じゃあやってみよう! と、ラクガキ講座をスタートしたのが始まりです。
タムカイさん、やっとイラストを描く手を止めて話し出して...

タムカイさん、やっとイラストを描く手を止めて話し出してくれましたよ!

編集部:なるほど。いろいろと模索する中で、ラクガキ・イラストが自身のアイデンティティとして確立されていったんですね。

タムカイ:そうですね。「描いて楽しいと思ってほしい! 」という気持ちと、自分自身の未来への道筋を、自分の絵とともに描いていく中で、よいものも悪いものも見えてきて、自分がやりたい事をどん! とやってみたら、すごく楽しくて。いろいろとやってみた中で、しっくりきたのがラクガキだったんです。
その後、ブログで取材などもしていたので、外に見せるためのラクガキを描く、ということを始めました。そうこうしているうちに、出版オファーがきて「ラクガキノート術」という書籍を出版しました。
ラクガキノート術(著者:タムラカイ)

ラクガキノート術(著者:タムラカイ)

編集部:やりたいことを楽しくやっていたら、書籍出版まで広がった。素晴らしい展開ですね。若者にも夢を与えてくれそうです!
グラフィックカタリストの活動は、どのように始まったのでしょう?

タムカイ:当時、アメリカで「スケッチノート」というのが流行っていまして。自分は「ラクガキノート」と言いながらウェブで発信していたら、「最近、グラレコというらしいよ」と友人に言われ、じゃあ、とグラレコと言い始めました。でも、ただ単にレコーディングしたい訳じゃないし……と、「グラフィックカタリスト」という言葉をつくり、活動を始めたんです。
最初はひとりでやっていたんですが、社外での大きなイベントも増えてきて、これはひとりじゃ無理、仲間がいるなと。一度、社内でまとめてみても面白いかな、とグループ内で声をかけました。最初は4名、かすみんが入社してきて一本釣りし(笑)、その後、社外メンバーも加わり、今は20名ほどのメンバーがいます。
カタリストメンバーによるワークショップ風景

カタリストメンバーによるワークショップ風景

編集部:おひとりで始めた活動が、仲間を得て徐々に広がっていったんですね!
冒頭で、「場づくり」にまで関わるというお話がありましたが、具体的には、どのような形で関わるのしょうか?

かすみ:まずはどういった想いで、どのような場を作りたいのかをお伺いし、その上で私たちがお手伝いできることがあれば、様々なご提案をさせていただいています。
例えば、今年の2月に開催されたマルハニチロ株式会社様の「女性社員向けダイバーシティフォーラム」では、「場の雰囲気を残し伝える目的でグラレコをお願いしたい」というオファーでしたが、「じっくり自分たちのありたい姿を考え、対話をしたい」というお話を伺い、タムラが開発した未来を描くメソッドや、対話を促進するためのツールをご提案しました。先方にも体験いただいた上でぜひ使いたいとなり、一緒に内容をブラッシュアップする形で場のデザインをしていきました。
ファシリテーションをするタムカイさんと、グラレコを担当...

ファシリテーションをするタムカイさんと、グラレコを担当したかすみさん

ワークショップでは、テーブルを回りながらファシリテーションも

ワークショップでは、テーブルを回りながらファシリテーションも

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