2020/01/08  カテゴリ 

やってみた!

吉成雄一郎氏によるデザイン思考キャンプレポート【前編】

デザイン思考の総本山、スタンフォード大学d.schoolの社会人プログラムを修了した吉成雄一郎さんによるデザイン思考キャンプレポートです。

こんにちは! みんデザ編集部です。
久しぶりにイベントを開催しましたよー!

私たちみんデザは「デザイン思考をもっと楽しく、わかりやすく!」を目指して活動しているプロジェクトです。いつもとっちらかり気味ですが、「そもそもなんでデザイン思考が必要なんだっけ? 一度原点に戻ろう!」ということで、今回開催したのは「デザイン思考キャンプ」!

デザイン思考の総本山、スタンフォード大学d.schoolの社会人プログラムを修了した、大手総合商社のシリコンバレー支店に赴任されている吉成雄一郎さんに講師をお願いしました! 「d.schoolってほんとにあったんだ!」というくらい私たちにとっては桃源郷のような存在です! そんなところから、ようこそ吉成先生!

いつもはシリコンバレーに赴任している吉成さんですが、帰国のタイミングを見計らってオファーしたところ、快く承諾してくださり、帰国したその日にイベント開催! お疲れのところありがとうございます!
講師の吉成雄一郎氏

講師の吉成雄一郎氏

【学歴】
早稲田大学理工学部機械工学科卒、同大学院理工学研究科機械工学専攻修了(工学修士)、
早稲田大学大学院ビジネススクール修了(MBA)、 早稲田大学大学院社会科学研究科 博士後期課程 在学中
スタンフォード大学 d.school Design Thinking Bootcamp fro Executiveプログラム修了( non-degree)
スタンフォード大学経営大学院  The Corporate Entreprenuerプログラム修了( non-degree)

【略歴】
1996年大手総合商社入社、宇宙航空機部に配属。人工衛星ビジネスを経て、日本オラクルと提携した位置情報サービス会社「ジクー・データシステムズ㈱」を 2002年に創業。同社を 7年間経営の後、金属資源部門に異動。オーストラリア・ブリスベンに Vice Presidentとして4年間駐在。その後、 2年間の東京勤務を経て、2016年よりシリコンバレーに駐在。 AI, IoT, BlockchainのPOCプロジェクトやスタートアップ投資(CVC)を主導。加えて、デザイン思考のコーチとして、社内外延べ 30クラス以上900名以上にデザイン思考のトレーニングを行っている。
d.school! シリコンバレー!
今回のみんデザはグローバル視点でお送りしますが、会場はいつもの赤坂「Studio MOVER」です! どうやら会場を運営している企業の方々が動画を作ったとのことで、シェアさせていただきます!

シリコンバレーに負けないくらい最高の施設です! 一般貸し出しも行っていますので、イベント等でご使用になりたい方はみんデザまでお問い合わせください。(info@mndz.jp までメールください)
平日19時に集まった猛者たち。お仕事後なのに真剣です!

平日19時に集まった猛者たち。お仕事後なのに真剣です!

まずは吉成氏からのレクチャーでスタート!
こちらが吉成氏

こちらが吉成氏

吉成さんは、普段シリコンバレーで「イノベーション」をご担当されています。

シリコンバレーといえば、スタートアップ的なイメージですが(どんなだ)、日本にいると実態はよくわかりません。一体何が起きているのでしょうか?

アメリカの経済はほぼ毎年成長している。その中心はシリコンバレー!

アメリカの経済は2009年(リーマンショックの翌年)を除き、毎年成長しているそう。
つまりアメリカはどんどん新しい産業を生み出しているということ!

ちなみに日本のGDPが最もアメリカに近づいたのは、1995年。
当時は日本1に対してアメリカは2。
現在は日本1に対してアメリカは4だそう。

さらに、アメリカのベンチャー投資額は年間なんと12兆円!
日本は1400億円程度なので、GDPの差以上に新しい産業への投資額の差が目立ちます。

そしてアメリカのベンチャーキャピタルの多くはシリコンバレーにいるため、投資額の8割程度はまずシリコンバレーに集まるそう。

お金があるところには情報が集まる。つまり、シリコンバレーには最新情報が集まっている!

イノベーションを起こさないとこれからの企業は生き残れない?

わかりやすくて面白い話に引き込まれる参加者たち

わかりやすくて面白い話に引き込まれる参加者たち

それで、なぜ新しい産業を生み出すには「イノベーション」が必要なのか? ということですが、Airbnb‎(エアビーアンドビー)の例が出されました。

通称「エアビー」と呼ばれ、日本でも親しみがありますよね。一般の民家などを宿泊用に貸し出せる、いわゆる「民泊」サービスのマッチングサイトです。

民泊サービスの競合ってどんな事業でしょうか? そう、「ホテル」です!
ホテルチェーンで世界最大であるマリオット(リッツカールトン・シェラトンなど)の部屋数は、世界に110万室だそう。

2008年に創立されたAirbnb‎の取り扱い室数は何室だと思いますか?

なんと、現在700万室! 今もどんどん増えています。
つまり、ホテルを1件も持ってない会社が、たった10年で世界最大のホテルチェーンの部屋数を軽ーく追い抜いちゃったんです!

これがまさに「イノベーション」。

Airbnb‎の創業者であるブライアン・チェスキーは、創業前のある日、とある工業デザイン関連の大きな会議があり、近隣のホテルが満室でした。
そこで、自分の家のリビングを貸し出そうとサイトを作ってみたら、実際にお客さんがついちゃったそう。

そこで気づいたのが、
「泊まるのってホテルじゃなくてもいいんだ!」ということ。

人の体験を中心に考える。これぞデザイン思考

イノベーションを起こすのに大切な気づきが、もうひとつありました。

ブライアン・チェスキーの部屋に泊まった人は、彼のリビングで、一緒に楽しく御飯を食べることができたのです。ホテル宿泊では決してできないことですよね。

こうした「人と人のふれあいの体験」が原点となり、Airbnb‎が誕生しました。ホテルの役割と同じものを提供するだけでなく、より良い体験をできるサービスがAirbnb‎です。

これが、みんデザでもよく言われる「ユーザー視点」に立つということ≒デザイン思考。実はブライアン・チェスキーはデザイン思考の達人なんですって!

アメリカではAirbnb‎などのスタートアップ企業だけではなく、大企業もどんどんユーザー視点に転換しています。

たとえば1912年に創業した「スチールケース」という会社。もともとはオフィス家具メーカーだったのですが、現在ではオフィス環境全体デザインするコンサルティング企業に変貌を遂げました。

何を変えたかというと、単品の製品としての家具を販売するビジネスから、オフィスでの「体験」を提供する企業になったということ。
「オフィスでどう過ごすことが企業成長につながるのか?」から発想して、オフィス全体の環境を提供するようにしたんですね。

現在ではシリコンバレーの標準的なオフィス様式を確立させたスチールケース。
オフィス環境を設計するときは、キッチン、日本で言えば「給湯室」から作るんですって。休憩時間の交流にこそイノベーションの種が潜むということでしょうか。

イノベーションはゼロイチじゃない、“組み合わせ”だ!

デザインって言うと、「センスいい人がゼロからなんだかおしゃれなもの作る」みたいなイメージが蔓延している日本ですが、語源は「現状否定」だそう。

そしてイノベーションは「組み合わせ」で生まれる! これもひらめきやゼロイチではないんですね。

人間は目の前にあるものしか組み合わせられない!
だから探索しよう!
現状を否定してイノベーションを起こそう!

というのがデザイン思考だ!

デザイン思考のプロセスをおさらい

おなじみの六角形

おなじみの六角形

みんデザ読者のみなさんは、さんざん見てきたかもしれないこの図。
デザイン思考の5ステップです。

これ、実際にはこんな感じで繰り返していきます。
繰り返しながらサービスなどを作っていくのがデザイン思考

繰り返しながらサービスなどを作っていくのがデザイン思考

次回はそれぞれのステップを学び、実際に体験してみた様子をお伝えします!
この記事のキーワード:  

研修事例