2019/10/17  カテゴリ 

やってみた!

新プロジェクト始動!福祉作業所のアート活動を事業ベースに乗せたい!

みんデザで、新しい相談を受けました!障害のある人たちによるアート作品で新規事業を立ち上げたい!」というもの。さっそく群馬県前橋市にある「NPO法人麦わら屋」さんという就労継続支援事業所にお伺いしました。

目次

さて、障害のある方々が働くための支援って、どんなものがあるのでしょうか。

厚生労働省が定めた障害者への就労支援(仕事ができるよう支援する)事業は、
・就労移行支援事業…一般企業などの通常の事業所に雇われることができそうな方々に対して、訓練や求職支援、相談などをおこなう
・就労継続支援A型事業…一般企業などの通常の事業所に雇われることが難しい方々に対して、雇用契約の締結による就労や生産活動の機会を提供する
・就労継続支援B型事業…一般企業などの通常の事業所に雇われることが難しく、さらに雇用契約による就労も難しい方々に対して、就労や生産活動の機会を提供する
・就労定着支援事業…通常の事業所に雇用された障害者が、継続して仕事が続けられるように支援する
の4種類。

障害の重さや能力によって支援のタイプが変わってくるんですね。
ここ「麦わら屋」さんは、就労継続支援事業所のB型というタイプ。一般企業への就職や、雇用契約による就労は難しい方々に働く機会を提供しています。


元々同じような事業所で働いていた経験からこの「麦わら屋」を立ち上げた理事長の小野さん。新聞で障害者によるアートの記事を読み、「自分たちでもできるのでは?」と思いスタートさせました。
でも、ただ描いていても、これでいいのかよくわからないと頭を抱えていた時に、来てくれたのが多胡宏さん。
麦わら屋さんの救世主

麦わら屋さんの救世主

彼はもともと盲学校の校長先生で、障害者への美術教育のスペシャシリストです。ご自身も版画家として活躍されています。多胡さんがみんなとアートの時間を持つようになってから、格段に作品がよくなったそうです!
決して押し付けたり、誘導したりせず、みんなのやりたいことをうまく引き出し、後押ししてくれる方です。美術教育のプロ! すごい!

就労継続支援事業所のB型は、雇用契約が結ばずに就労機会を提供する事業所です。雇用契約を結ばないということは、最低賃金の保証がありません。ここで働いている障害者の方々は、月に2万円弱程度しかもらえませんが、それでも事業所としては常に採算はギリギリだそうです。
さらに、アート作品づくりは今のところ収益事業ではないため、彼らの賃金はほかの作業をしている人たちの収益から払い出しているのが現状です。

「麦わら屋」のスタッフさんたちは、そんな状況を変えたいということと、
「障害者が働く」ということをもっとオープンにしたい!という気持ちがあります。

彼らは「支援される」だけの立場ではなく、社会で共生していく対等な存在です。しかし、誰にでもできる簡単な作業をしていると、どうしても「下」に見られがちです。

小野さんも、アート作業を導入してから、自分にはとても作れない素晴らしい作品を作る彼らを心から尊敬し、それまで無意識に「支援する側」「される側」として接してしまっていたことに気づいたそう。
とっても仲良しな「麦わら屋」のスタッフさんたち

とっても仲良しな「麦わら屋」のスタッフさんたち

茂木教授は、「彼らはこれからの働き方のロールモデルだ」という話もいただきました。

これからの新しい社会をつくっていくには、毎日毎日「嫌だなあ」「面倒だな」と思いながら働くような時代は終わらせなければいないと、茂木教授は言います。

生産性重視の働き方をやめて、自分の内面から湧く想いを大切に仕事していかないと新しい社会は作れない。
彼らは好きなことを好きなだけやりながら暮らす、これからの生き方の大先輩だ!と。

みんデザのテーマでもある「Playful!」も同じですね! 好きなことを楽しんで取り組まないとイノベーションは起こせない!!

そんな社会を実現するためにも、アートをきっかけに彼らのあり方が見直されるイノベーションが起こせないだろうか?
これはみんデザの出番ですね(たぶん)!


というわけで、これから新事業、スタートさせます!
コラボレーションしてくださる企業さまや、ご協力してくださる方、募集中です! みんなで共創イノベーションを起こしましょう〜!!
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