2019/12/24 カテゴリ
きいてみた!
「無印良品流デザイン思考」の秘訣を探る〜ユーザー中心のものづくりを取材してきた!(後編)
デザイン思考を活用して、ものづくりをしている企業を訪問する企画。創業以来、無印良品に受け継がれる「生まれながらのデザイン思考」をお聞きしましたよ!
目次
【おむつポーチ】
編集部:使い勝手の良い工夫が盛りだくさんですね!
お話を伺った上で実際の商品を拝見すると、様々な工夫がとてもよくわかります。自分のときに欲しかった!
お話を伺った上で実際の商品を拝見すると、様々な工夫がとてもよくわかります。自分のときに欲しかった!
ものづくりの手引き書は、社員みんなが立ち返る場所! ずっと受け継がれてきた商品開発の考え方
編集部:お話を伺うと「 無印良品流ものづくり」のノウハウが確立されていように感じました。マニュアルのようなものはあるのでしょうか? そして、新しいメンバーが入ってきたときにどのように受け継がれるのでしょうか?
松木:マニュアルはないのですが、ものづくりの手引き書のようなものはあります。
編集部:文字になっているものがあるのですね。素晴らしい! 社外秘ですよね。見れませんよね?(食いつく編集部)
無印さん全員:ですね……苦笑
松木:マニュアルはないのですが、ものづくりの手引き書のようなものはあります。
編集部:文字になっているものがあるのですね。素晴らしい! 社外秘ですよね。見れませんよね?(食いつく編集部)
無印さん全員:ですね……苦笑
永澤:手引きというか、考え方、ですね。
松木:無印良品の商品開発の考え方はこういうもの、という成り立ちを学ぶと言いますか、原点を知っておく必要があります。みんな忘れかけているんじゃない? と感じたときや、新しい人が入社したときなど、立ち戻る必要があると感じたら、みんなで読みます。
編集部:みんなが立ち帰れるものがあるのですね。
永澤:そうですね。大前提として、無印良品のものづくりへの考え方があった上で、自分の経験をのせることが大事。「これは無印良品ではやらない」というのはあるんです。わかりやすい例でいいますと、「花柄の商品は作りません」とか。
編集部:花柄! 確かに無印良品にはないですね。(編集部一同納得)
永澤:アンケートでも「デザインがシンプルすぎる」というご意見はたくさんあるのですが、商品にデザインを付加するかというと、なかなか難しい。無印良品としてのベースがありますから。
松木:無印良品の商品開発の考え方はこういうもの、という成り立ちを学ぶと言いますか、原点を知っておく必要があります。みんな忘れかけているんじゃない? と感じたときや、新しい人が入社したときなど、立ち戻る必要があると感じたら、みんなで読みます。
編集部:みんなが立ち帰れるものがあるのですね。
永澤:そうですね。大前提として、無印良品のものづくりへの考え方があった上で、自分の経験をのせることが大事。「これは無印良品ではやらない」というのはあるんです。わかりやすい例でいいますと、「花柄の商品は作りません」とか。
編集部:花柄! 確かに無印良品にはないですね。(編集部一同納得)
永澤:アンケートでも「デザインがシンプルすぎる」というご意見はたくさんあるのですが、商品にデザインを付加するかというと、なかなか難しい。無印良品としてのベースがありますから。
編集部:なるほど。必要を感じた時に立ち戻れる手引きがある。素晴らしいです。入社すると全員に渡されるものなんですか?
松木:必ず配布するわけでもないですが、いつでも誰もが見れる場所にありますね。
国広:私が所属する企画デザイン担当チームでは、配属したら最初に読むようにと渡されます。商品ジャンルによってチームが分かれていて、それぞれに、ディレクター、先輩チーフデザイナー、新人と、先輩・後輩が混ざりチームになっているので、教えてもらうこともあります。
また、オブザベーション(※)、たとえば一人暮らしのお家にお邪魔して実際の生活の様子を見せてもらうということを、日本国内だけではなく海外でもやっています。新人も参加して、気づいたことをまとめてもらうなど、そういった教育も行っていますね。
編集部:デザイン思考のプロジェクトでは、ユーザーの行動を観察するオブザベーションを行います。それをもう、ずっとされているのですね。
国広:10年以上はやっているでしょうか。開発内容に応じて行っています。
永澤:そうですね、もう無印良品の商品開発手法のひとつとして染み付いている感じです。
(※)オブザベーション:ユーザー観察。ユーザーの生活環境に入り観察し、リアルな消費者のインサイト(潜在意識)を見つけ出す手法。デザイン思考の手法の中でも重要なポイントのひとつ
松木:必ず配布するわけでもないですが、いつでも誰もが見れる場所にありますね。
国広:私が所属する企画デザイン担当チームでは、配属したら最初に読むようにと渡されます。商品ジャンルによってチームが分かれていて、それぞれに、ディレクター、先輩チーフデザイナー、新人と、先輩・後輩が混ざりチームになっているので、教えてもらうこともあります。
また、オブザベーション(※)、たとえば一人暮らしのお家にお邪魔して実際の生活の様子を見せてもらうということを、日本国内だけではなく海外でもやっています。新人も参加して、気づいたことをまとめてもらうなど、そういった教育も行っていますね。
編集部:デザイン思考のプロジェクトでは、ユーザーの行動を観察するオブザベーションを行います。それをもう、ずっとされているのですね。
国広:10年以上はやっているでしょうか。開発内容に応じて行っています。
永澤:そうですね、もう無印良品の商品開発手法のひとつとして染み付いている感じです。
(※)オブザベーション:ユーザー観察。ユーザーの生活環境に入り観察し、リアルな消費者のインサイト(潜在意識)を見つけ出す手法。デザイン思考の手法の中でも重要なポイントのひとつ
編集部:最後に、これから取り組みたい商品開発プロジェクトはありますか?
松木:個人的な話でいうと、毎日の生活の中で、ちょっとした使い勝手を変えるだけでスムーズになる、日々のことが流れていくようなものづくりを、やっていきたいと思っています。
国広:デザインチームは素材を作っているメーカーや加工工場に行くことが多く、新しい技術や素材を開発している技術者の方にお会いする機会も多いのですが、それらをどんな商品に展開したらいいかのアイデアを求めていらっしゃることが多いので、私たちがつくりたい商品にマッチする技術や素材を見つけられたらと思っています。
永澤:私は開発担当者ではないので、お客様に期待されているカテゴリーの中からひとつでも多くのプロジェクトが立ち上がるよう、開発チームに働きかけていきたいです。
編集部:今日は、大変貴重なお話をたくさんお伺いすることができました。ありがとうございました!
ーインタビューを終えて
デザイン思考は、「ユーザーの課題を共感しながら理解する(理解)」「みんなで考える(共創)」「手を動かしながら考える(プロトタイプ)」がもとになっています。
店頭やウェブサイトでお客様に寄り添い、その声を集め、お客様をしっかり観察する。
さまざまなメンバーがいるチームで、意見を出し合い、プロトタイプを作りながら製品に仕上げる。
無印良品のものづくりには、デザイン思考の考え方が染みついている、と感じました。
創業以来のものづくりの考え方が、ブレることなく、脈々と受け継がれているからこそ、実現できている! と感じました。
「 無印良品流デザイン思考」は、ユーザーがこうしたい!を第一に考える、生まれながらの「ユーザー中心設計」でした!
松木:個人的な話でいうと、毎日の生活の中で、ちょっとした使い勝手を変えるだけでスムーズになる、日々のことが流れていくようなものづくりを、やっていきたいと思っています。
国広:デザインチームは素材を作っているメーカーや加工工場に行くことが多く、新しい技術や素材を開発している技術者の方にお会いする機会も多いのですが、それらをどんな商品に展開したらいいかのアイデアを求めていらっしゃることが多いので、私たちがつくりたい商品にマッチする技術や素材を見つけられたらと思っています。
永澤:私は開発担当者ではないので、お客様に期待されているカテゴリーの中からひとつでも多くのプロジェクトが立ち上がるよう、開発チームに働きかけていきたいです。
編集部:今日は、大変貴重なお話をたくさんお伺いすることができました。ありがとうございました!
ーインタビューを終えて
デザイン思考は、「ユーザーの課題を共感しながら理解する(理解)」「みんなで考える(共創)」「手を動かしながら考える(プロトタイプ)」がもとになっています。
店頭やウェブサイトでお客様に寄り添い、その声を集め、お客様をしっかり観察する。
さまざまなメンバーがいるチームで、意見を出し合い、プロトタイプを作りながら製品に仕上げる。
無印良品のものづくりには、デザイン思考の考え方が染みついている、と感じました。
創業以来のものづくりの考え方が、ブレることなく、脈々と受け継がれているからこそ、実現できている! と感じました。
「 無印良品流デザイン思考」は、ユーザーがこうしたい!を第一に考える、生まれながらの「ユーザー中心設計」でした!