2020/06/29  カテゴリ 

やってみた!

アフターコロナの広告のあり方を考えよう!第1回|イベントレポート

このワークショップの企画では、老舗CM制作会社に「イノベーションを起こそう!」ということで始まった企画で、メンバーたちが新しい視点を持ち、自ら動いていけることをゴールとしています。

こんにちは!みんデザ編集部です。

今回は、みんデザが主催となり、「アフターコロナの広告のあり方を考えよう!第1回」を開催しました。

「ウィズコロナ」と呼ばれる時代、わたしたちの日常は刻一刻と様変わりしています。目の前の危機におびえているだけでなく、この先の時代に目を向け、思考を進めていかなければいけません。

今回のワークショップは、大手CM制作会社である株式会社ティー・ワイ・オー PRO2のみなさんにご参加いただきました。このワークショップの企画では、老舗CM制作会社に「イノベーションを起こそう!」ということで始まった企画で、メンバーたちが新しい視点を持ち、自ら動いていけることをゴールとしています。

何度かオフラインイベントを開催していましたが、今回は外出自粛ということで、初オンラインイベントを開催することにしました。

第1回目は、まず現状のコロナの状況についてどう感じているかと向き合い、ディスカッションすることからはじめました。

参加者はまず最初に、みんデザメンバーの「アフターコロナにおける広告のあり方について」のキーノートトークで、前提知識をインプットしました。

テクノロジーで、人の行動様式から先に変わっていく

コロナによって、テレワーク、Web会議、オンライン授業など、今までのあり方が変わりました。このような環境下では、ついテクノロジーで何が実現できるか、という議論をしてしまいがちですが、「テクノロジーと人間の関係は、固定的ではない」という前提を理解しておくことが大切です。

関係が固定的とは、どういうことか。それは、つまり機械に何ができるか/できないかを考えるのではなく、「テクノロジーによって起こる身体性の変化を考える」ことです。

これだけだとイメージがつきにくいので、過去テクノロジーによって私達の行動様式はどのように変化したのか、「ウォークマン」「パソコン」「小説」「絵文字」の題材を例に解説していきます。

ウォークマン

ウォークマンは、1979年にソニーから発売されました。なかなか、今だとあたり前すぎて革新的と思えませんが、当時は「音楽が持ち運べる」と話題になりました。

ここで何が変わったか。それは「音楽が尊敬の対象から、自分の生活の一部(BGM)になった」ということ。音楽そのものを聞くのではなく、自分の気分に合ったものをチョイスする感覚で音楽を選ぶようになったのです。

パソコン

昔は原稿を書くときは原稿用紙を使うことが一般的でした。しかし、パソコンの登場により、横書きが当たり前に。ここである変化が起こりました。

それは「一文が短くなったこと」。視認性の問題で、横にぎっしりと文字がつまっていると、読みにくくなります。パソコンという媒体に変わったことにより、見え方、心地よさが変わったのです。

ケータイ小説

続いて、2005年にヒットしたケータイ小説「恋空(こいぞら)」を題材に。「恋空」とは、小説家である美嘉さんが書いたケータイ小説で、2006年に書籍化決定、2007年漫画化と映画化、2008年テレビドラマ化され、2010年には200万部を突破した大ヒット作です。

ケータイ小説とは、無料ホームページサービス「魔法のiらんど」上で掲載された小説のことで、だれでも投稿することができます。

そのため「恋空」に限らず、ケータイ小説の多くは、一般的な小説の様式とはかけ離れたストーリー構成になっていました。ではなぜ、これが若い人を中心に大ヒットしたのでしょう?それは、まさに読み手がテクノロジーによって感覚が変わったから。まさに、ケータイの作法に最適化された作品だったのです。

絵文字(EMOJI)

最後が、iモードの絵文字(EMOJI)について。絵文字は、感情のやり取りが可視化された歴史的なツールです。その後、形を変えてLINEのスタンプに継承されました。従来のメールなどのテキストコミュニケーションは返信するのがマナーでしたが、LINEが普及したことで「既読スルー(今はあえて返さない)」「未読スルー(あえて読まない)」など、個々のタイムラインに合わせた多様な返信方法が生まれています。

オンラインコミュニケーションで何が変わるか?

個性あふれる参加メンバーはこちら!

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ここから本題。オンラインコミュニケーションが活発になると、これからどのような変化が起こるのでしょうか?みんデザメンバーは「虚構の自分が強化されていく」と考えます。

ウェビナーやオンライン会議だと、常に自分の顔を見ながら話すことになります。自分の顔を常に見るのは苦痛です。だから、皆、少しでもよく見せようと照明を駆使したり、加工アプリを使ったり、背景を変えたりするようになるかもしれません。または表情を誇張したり、オーバーリアクションしたりするなど、演技的に振るまうことも増えてくると思っています。

確かに、相手は画面の中に存在しているわけで、実際に、筆者もオフラインと同じような相づちで話を聞いていたら「電波悪いですか」と不安がられた経験があります。

このように、相手の表情が読めない、見ているかよくわからない、そのような状況で、今後、人の身体性はどのように変容していくのか。今後のクリエイティブや広告を考える上でとても重要なポイントになるでしょう。

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