2020/06/05  カテゴリ 

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「デザイン思考でサービスデザインを考える」ワークショップは、オンラインでも実現可能?(前編)  

こんにちは!みんデザ編集部です。

先日、初めて「オンラインワークショップ」に参加してきました!
今回は、その体験レポートをみなさんにお届けしたいと思います。

参加させていただいたのは、株式会社読売広告社さん主催の「YOMIKO ONLINE CREATION」。
新型コロナウイルスの影響によりこれまでの「働き方」や「価値観」に対して大きな変化が起きているなか、営業部の大門さんが、「クライアントとの新たなコミュニケーションの可能性を仲間と一緒に考えたい!」と社内向けに企画されました。
ファシリテーターは、オンラインワークショップデザイナーのタキザワケイタ氏です。
タキザワケイタ氏 プロフィール
PLAYWORKS株式会社 代表
オンラインワークショップデザイナー/インクルーシブデザイナー/プロジェクトファシリテーター
オンラインワークショップを通じて、新規事業・組織開発・人材育成など、企業が抱えるさまざまな問題を解決へと導く。また、多様なプロフェショナルからなるプロボノチーム 「PLAYERS」のリーダーとして、妊婦や障害者など手助けを必要とする人と周囲の人をLINEでマッチングするサービス「&HAND」や、テクノロジーで点字ブロックをアップデートする「VIBLO」の社会実装などを進めている。
https://keitatakizawa.themedia.jp/
一般社団法PLAYERS リーダー/&HANDプロジェクトリーダー/筑波大学大学院非常勤講師/青山学院大学ワークショップデザイナー育成プログラム(WSD)講師/日本土地建物 オープンイノベーションオフィスSENQ メンター/LEGO® SERIOUS PLAY® 認定ファシリテーター/ユニバーサルマナー検定2級/プロモーショナル・マーケター認証資格
「デザイン思考でサービスデザインを考える」ワークショップに、なんと自宅にいながら参加できてしまうなんて!どんな内容か楽しみです。

「オンラインワークショップ」スタート!

今回のオンラインワークショップは、オンラインビデオツール「zoom」を使用しました。
そのため、まずは「zoom」の使い方と「グランドルール」の説明からスタート!

ツールの使い方だけでなく、「相槌や拍手などリアクションは大きめにする」など、オンライン上のコミュニケーションを円滑にするためのルールも共有しました。
参加されている社員のみなさんは、デジタルツールに慣れていらっしゃるようで、スムーズに進みました。
ファシリテーターのタキザワケイタ氏

ファシリテーターのタキザワケイタ氏

そして、さっそく本題である「オンラインワークショップ」のお話へ。
タキザワさんによると、「新型コロナウイルスの影響でリアルワークショップが禁止されたことにより、Afterコロナ時代は“リアル・オンラインのハイブリット”になり、オンラインワークショップのニーズはより一層高まっていく」そうです。
しかし、「対面でのリアルワークショップをそのままオンライン化しても劣化版にしかならない!」とのご指摘も。

それでは質の高いオンラインワークショップを実現するにはどうしたらよいのでしょうか?
タキザワさんによると、「オンラインの弱点を他の方法でカバーし、さらにオンラインならではの可能性を最大化することで、リアルを超えたオンラインワークショップが実現可能になる」そうです。
オンラインの弱点としては、「大人数でのブレインストーミングが難しい」「集中力が続かず疲れやすい」などがあるそうなのですが・・・。
タキザワさんは、こうした弱点にどのような方法で対処されているのでしょうか?
オンラインワークショップの「弱点への対処方法」
①    ブレインストーミングは大人数グループではなく、2〜3人の少人数グループにする
②    「個人ワーク」をメインにして「デジタルツール」で共有する
③    集中力を保つために身体性の伴うワークを入れる
④    紙やペンなど「アナログツール」も活用する
この「弱点への対処方法」は、今回のタキザワさんのオンラインワークショップにも取り入れられていました。
今回のワークショップのテーマは、「在宅勤務における体験」を向上させるアイディア
一体どのように取り入れられていたのか、さっそくみなさんにご紹介していきます!
本日のオンラインワークショップのテーマ

本日のオンラインワークショップのテーマ

本日のプログラム
テーマ:「在宅勤務における体験」を向上させるアイディア
・自己紹介
・リサーチ
・課題設定
・ブレインストーミング
・プレゼンテーション

自己紹介

それまではパソコンの前に座ってお話を聞いていただけだったのですが、自己紹介の前にタキザワさんから突然のお題が!!
「家の中から取ってきてください!」
「家の中から取ってきてください!」

「家の中から取ってきてください!」

お題に答えるべく、さっそく家の中を歩き回って「みんなにオススメしたいモノ」「いまハマっているモノ」「最高にくだらないモノ」を探すことに!
突然のことで少しびっくりましたが、これはまさしく、③集中力を保つために身体性の伴うワークを入れる時間でした。

そして取ってきたモノを使って、参加者同士が2〜3名のグループに分かれ、お互いに自己紹介。
メンバーをシャッフルして3回行われ、3名の方と自己紹介ができました。
初めましての方とオンラインでお話をするのはさすがに緊張しましたが、ビデオを通してご自宅の様子がわかり、そこからさらに話題が広がることもありました。これはオンラインならではでした!

リサーチ

ここから、メインワークのスタートです!
「自身の在宅勤務を徹底的に観察し、“在宅勤務における良い体験・悪い体験”を見つけよう!」という、在宅ならではのフィールドワークへ。

タキザワさんによると、「在宅だからこそユーザーインサイトを掴み、商品・サービス開発に活かしやすいので、サービスデザインにオンラインワークショップは非常に有効」とのことでした。
サービスデザインにオンラインワークショップは非常に有効です!

サービスデザインにオンラインワークショップは非常に有効です!

さらに、Room1・Room2・Room3の3グループに分かれます。
そして、すでに用意された「Googleスライド」を使用して、個人ワークのスタートです!
Room1・Room2・Room3、それぞれの作業用ス...

Room1・Room2・Room3、それぞれの作業用スライドが用意してあります。

まずは、フィールドワークでリサーチした自分の「在宅勤務の1日」をカスタマージャーニーマップで整理しました。
カスタマージャーニーマップとは?
デザイン思考で用いられるサービスが提供するユーザー体験を構造化して図解する技法。横軸を「プロセス」、縦軸を「体験性」とし、フィールドワークなどから得られた情報を並べ、そこから課題を見つけ出す。サービスの質を向上させるのに効果的。
「在宅勤務の1日」をカスタマージャーニーマップで整理。

「在宅勤務の1日」をカスタマージャーニーマップで整理。

Googleスライドはオンライン上で複数人で同期しながら使用できるため、個人で作業をしながら、同時に相手の作業を見ることができます。
②「個人ワーク」をメインにして「デジタルツール」で共有することができるので、個人作業に集中しつつ、孤独にならない安心感がありました。
Googleスライドで作業をするので、個人ワークをしな...

Googleスライドで作業をするので、個人ワークをしながら他の人の様子も見れました!

課題設定

つづいて、グループワークへ。
個人で作成したカスタマージャーニーマップをグループメンバーで共有し、「どうにかしたい悪い体験」もしくは「さらに良くしたい良い体験」を3つ選んで、Googleスライドに記入します。
さらに、「悪い体験」をみんなでリフレーミング!
リフレーミングとは?
物事の見方(フレーム)を意図的に変える事で既成概念に捉われない発想をする方法。同じ物事でも人によって見方や感じ方が異なり、違う視点から見ることで、短所が長所に変わることも。
「もしかしたら良い体験になるのでは?良い価値になるのでは?」と意図的に見方を変えて、まだ誰も気づいていない価値を見つけ出しました。

そして5分間の休憩を挟んで、発表タイム!
グループの代表者が、グループでリフレーミングした内容を全員に対して発表しました。
スライドの画面を共有しながら発表しました。

スライドの画面を共有しながら発表しました。

ブレインストーミング

ここからは、本日のテーマ「在宅勤務における体験」を向上させるアイディアに向けてラストスパート!
リフレーミングした内容をもとに、グループのみんなでテーマに沿ってアイディア出しをしました。
個人とグループでブレインストーミング

個人とグループでブレインストーミング

まずは、個人で付箋を使ってブレインストーミング。
次に、アイディアをグループメンバーで共有し、メンバーみんなでブレインストーミング!
①ブレインストーミングは大人数グループではなく、2〜3人の少人数グループにするという配慮のおかげで、オンラインでもリアルとほとんど変わらず自然な形で発言ができました。

そして、プレゼーションのために、白い紙に「タイトル・ターゲット・課題・アイディア」をまとめます。
④紙やペンなど「アナログツール」も活用することも忘れていません!

プレゼンテーション

最後に、それぞれのグループで考えたアイディアを発表しました。
どんな【「在宅勤務における体験」を向上させるアイディア】が生まれたのでしょうか?

Room1グループ

ハッピークッキング
家族それぞれがレシピを考えて料理をする。家族がそろって食事し、記録をすることで健康維持や食育につながる。レシピを通して家族の絆が深まる!

Room2グループ

ワーキングスマートスピーカー
在宅ワークはオンとオフの切り替えが難しいという課題に対して、スマートウォッチから個人データを取得し、その人に最適化されたコンテンツをスマートフォンを通して自動配信。

Room3グループ

あなたの家の健康コンシェルジュ
なじみの飲食店が健康管理をしてくれ、栄養バランスを考えたお弁当を届けてくれる。
有名店の味を自宅で作ろう
有名シェフがzoomで料理教室を行う。家族みんなで参加できるし、飲食店支援にもつながる。
Room1グループ

Room1グループ

Room2グループ

Room2グループ

Room3グループ

Room3グループ

どのグループも在宅勤務中の実体験にもとづいたアイディアだったので、共感するポイントがたくさん。
今回出てきたアイディアが、もしかしたら新しい商品やサービスにつながるかも・・・。そう考えるとワクワクします!

振り返り

ワークショップ終了後は、チャット機能を使ってみんなで振り返りを共有しました。
その一部をご紹介します。

・日常のインサイト発掘に向いていると思いました。家族に相談ができるので、個人ワークといえども自分のアイディアの幅が広がりました。オンラインでも意見交換はできるのが新たな発見でした。

・ひとつの課題の解決方法を考える手法として、リフレーミングを活用する方法が楽しく新鮮でした。自分のクライアントに新しい提案を行う際に実際に活用したいです。

・オンラインでもしっかりグループディスカッションができることがわかりました。制限された時間内でアイデア出しから提案まで行うことで、より集中力が増したように感じます。

みなさん、デザイン思考を学んだり、今後の新しい働き方を考えたり、充実した時間を過ごせたようです。在宅ワーク中のコミュニケーションの機会にもなったようで、オンラインワークショップのさまざまな可能性を実感されていました。

オンラインでインタビュー

ワークショップ終了後、今回の企画をされた大門さん、参加された営業部の中島さんと堀内さんに感想を伺うことができました!

大門さん
Q:今回のオンラインワークショップを企画されたきっかけを教えてください。
これまで、クライアントと新しいアイディアをつくる共創型のやり方をリアルの場でやってきたのですが、オンライン上で実現できるのかというのが課題でした。タキザワさんがオンラインワークショップをやっていることを知っていたので、ぜひ体験してみたいと思いました。

中島さん
Q:オンラインワークショップとリアルワークショップの違いで何か気づいたことはありましたか?
リアルの場合はイニシアチブをとる人の発言が多くなってしまいがちですが、オンラインの場合は、今回はチャット機能もあったので、人の目を気にせず自分の意見を言えるのは良いことだと思いました。また、これはオフラインでもできますが、グループワークの時にチャットを議事録代わりに使うのも良いと思いました。オフラインだと議事録の人は議事録だけという風に役割が明確に分かれてしまいますが、オンラインだとパソコンの画面を切り替えながら効率よくいろいろな作業ができるので、兼業できるのが良いと思いました。

Q:今後、ご自身がオンラインワークショップを実施するとしたら・・・?
クライアントと行う場合は、建設的な議論をするために、目的をより具体化したいと思います。例えば、「この商品のこのキャンペーで、こういうターゲットにやっていきたいので、どういうキャンペーンにする?」というような、事前のインプットとアジェンダの徹底が大事だなと思いました。

堀内さん※リアルワークショップの参加経験なし
Q:今回のオンラインワークショップはいかがでしたか?
事前にもっていたイメージは、オンラインだと意思の疎通が図りにくくコミュニケーションが円滑に進まないのかなという先入観があったのですが、実際にやってみるとそんなにリアルと変わらないと思いました。ただ、(グループワークで)発言する時に、リアルの場と違って沈黙が続く中で話していくので、話しながら少し不安を感じることはありました。

Q:今後、オンラインワークショップをお仕事に取り入れるとしたら…?
コミュニーケーションのきっかとして使えるツールにしていければ、チャンスが広がっていくと思いました。使い方次第によっては、今まで以上にコミュニケーションを円滑にできる可能性があると感じました。

インタビューにご協力いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

オンラインワークショップの可能性とは?

タキザワさんが最初にお話されていた、リアルを超えたオンラインワークショップを実現するためのポイントは、「オンラインの弱点を他の方法でカバーし、さらにオンラインならではの可能性を最大化する」こと。
それでは、「オンラインならではの可能性」とは一体何なのでしょうか?

そこで次回は、ファシリテーターを務められたタキザワケイタ氏へインタビューを行い、オンラインワークショップの可能性や成功の秘訣について伺います。
後編もどうぞお楽しみに!