2020/03/13  カテゴリ 

よんでみた!

書評『スタンフォード式 人生デザイン講座』デザイン思考で人生プランを考える

デザイン思考を人生設計に役立ててみる!自分の問題をデザイン思考で抽出して、解決していきます。初心者の方にもわかりやすく書きました。

とはいえ、プロタタイピングをいざ実行するとなると、なかなかハードルは高いです。最も手軽な方法として「ライフデザイン・インタビュー」が紹介されています。これは、気になる人に取材をし、仕事について話を聞くという実にシンプルな方法です。この方法で、なんとなくヒントを手に入れたら、次はよりイメージを明確にするため、行動に移します。例えば、「日本茶スタンドを出店したい」というのであれば、

・知り合いの日本茶スタンドのお店で1日店長をさせてもらう
・いろいろなマルシェでポップアップでお店を出す
・貸しスペースを借りて、友達を集めた料理会をする

いくらでも、出店までに試せることはあります。

幸せになるのではなく、「幸せを選び取る」

解決方法の選び方は?

解決方法の選び方は?

ライフデザインでは、問題把握、問題解決の方法と同じくらい、「解決方法の選び方」も重要です。選び方をひとつ間違えるだけで、全て上手くいかなくなってしまいます。本書では、選択プロセスとして以下の3つを挙げています。

①いくつかの選択肢を集めて、生みだす

選択肢をまずは拡張します。拡張するには、問いをで工夫します。例えば、お金、時間、スキルといった制限を一旦とっぱらって考えたりして、メンタルブロックを外して考えると、今までにない視点でアイデアが湧き出てきます。

②選択肢を5つまで絞りこむ
いろいろな未来へのアイデアを出すと、とても楽しい気分になります。どれを選ぼうか、その過程が楽しかったりします。ただ、この楽しさが足を引っ張り、なかなか絞り込むことが難しくなります。

選択肢が多すぎるのは選択肢がまったくないも同然なのだ。無数の選択肢を前にして凍りついているなら、そもそも選択肢がないのと実質的に変わらない。

と書かれているように、選択肢は多すぎると選択できなくなります。つまり、それは無意味であるということ。

③選び、断ち切る。前に進む
選ぶ過程で最も難しいです。なぜなら、人は最善の決断をしたいと常に思うからです。ただ、最善の選択はそもそも非現実的な話です。なぜなら、10年後、50年後になってみないと、最善かどうかなんて分からないからです。つい目移りしてしまう検索結果の海に見える魅力的な選択肢は「隣の青い芝」であり、空想の選択肢に過ぎません。「優劣の差がないのであれば、全てベストなのだからどれを選んでも正解」と考えて、まずは一つの選択肢に向けて行動することに振り切ることが大切です。

現実と戦わない。直視し、自分の人生をデザインする

本書を読み、繰り返し強調されている「ライフデザインは現実と戦わない」という言葉が響きました。現実と戦うということは、「現実を受け入れず、そこに不平不満を吐き、過去の自分の選択に後悔し、あの時アレを選択すればよかったと嘆くこと」です。現実を直視すれば、次の人生につながるステップになります。

『プロトタイプを繰り返し、人生を作り続ける』。このスタンスさえ持っていれば、「失敗することも成功することもある」と、現実を直視でき、失敗を次の反省材料に、また未来の話のネタにすることにもできます。これは本当に最強のライフハックだなと個人的には思いました。

「うまくいっているはずなのにモヤモヤしている」「問題が行き詰まりすぎて身動きが取れなくなってしまった」そんな方にはぜひ読んでもらいたい一冊です!
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