2020/07/31  カテゴリ 

よんでみた!

デザイン思考のバイブル『デザイン思考が世界を変える』のアップデート版を読んでみた!

今回は、デザイン思考のバイブルと言われている、ティム・ブラウン氏の『デザイン思考が世界を変える〔アップデート版〕:イノベーションを導く新しい考え方』を読んでみました。

発散的思考と収束的思考

デザイン思考のプロセスは、発散的思考と収束的思考をリズミカルに行き来します。発散的思考の手法としては、ブレインストーミングやビジュアル・シンキングが紹介されています。こうした手法により、発散的プロセスでは、多くの選択肢が生み出されます。

一方、そのようにして生み出された選択肢を絞り込むためには、収束的思考が重要になります。そしてこの収束的プロセスで役立つ道具が、ポスト・イットです。ワークショップなどでポスト・イットを使いブレインストーミングをした経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。すでにデザイン思考を実践していたのかもしれません。

とはいえ、それでも「デザイン思考ってやっぱりなんだかよくわからない・・・」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。そんな時こそ、「誰にでも実践できる」というティム・ブラウン氏の言葉を思い出してみましょう。

収束的思考にはポスト・イットが役立ちます

収束的思考にはポスト・イットが役立ちます

デザインをデザインし直す

最後に、今回新たに加筆された11章について、ほんの少しだけご紹介します。

ティム・ブラウン氏は、現在の社会の変化を“第四次産業革命”と呼び、過去の蒸気(第一次)、電気(第二次)、コンピューター(第三次)による革命と比較すると、その変化はめまぐるしく、想像を絶する規模で進んでいると指摘しています。そして11章では、私たちの直面している社会課題のうち、特に緊急性の高い以下の6分野に関して、現実的な戦略を述べています。

① 時代遅れになった社会システムの再デザイン
② 参加型民主主義の復興
③ 脱自動車時代の都市のデザイン
④ 人間に優しい人工知能、スマート・マシン、ビック・データのデザイン
⑤ バイオテクノロジーや人間の誕生と死にまつわるデザイン
⑥ 線形経済から循環経済への転換

まとめ

世界はまさに今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という新たな社会課題に直面しています。これまでの生活様式や価値観が変化するなか、新たなイノベーションが求められているといえるでしょう。そんな今だからこそ、人間中心アプローチであるデザイン思考から学ぶことは多いのではないでしょうか。

すでに初版を読んだことがある方も、まだ読んだことのない方も、デザイン思考のバイブルとして何度も読み返したくなる1冊です。本書が、読者の皆様にとって、日々の生活にデザイン思考を取り入れる一歩となることを願っています。私も自分のできることから、学んだことを実践してみたいと思います。
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