2019/09/01  カテゴリ 

みん読(みんなで読書)

コミュニケーションの万能薬!? 病んでる職場の救世主「開かれた対話」って?

こんにちは。みんデザ編集部です。難しそうな本をみんなでわかりやすく! 「みんなで読書(通称:みん読)」のコーナーです。

ところで、みなさんの職場で開かれている会議、きちんと活性化してますか? 新しいアイデアや施策がガンガン生まれる場になっていますか? 
また、チームメンバーはみんながそれぞれ自分で考え、自分なりの方法を模索しながら仕事ができていますか?

……もしかして、偉い人だけしゃべって終わる毎週の会議とか、指示されたことを遂行するだけのチームメンバーばっかりとか……。そんな職場環境ではありませんか?
どよーんとする会議……昭和病になってない?

どよーんとする会議……昭和病になってない?

もしあなたの職場がそんな症状に陥っているとしたら、大変! それはれっきとした「昭和な職場病」(今名付けました)!
まだまだ物が足りなくて市場が成長していた時代の働き方を引きずっていますよ〜!
多様な価値観でロングテール型(※)になった令和の時代、職場環境をアップデートしましょう!
※ロングテール型…少ない種類の商品をそれぞれたくさん売るのではなく、たくさんの種類の商品を少しずつ売る手法のこと。実店舗と違って店舗面積に制限がないインターネット通販では主流のマーケティング手法ですが、逆に言うと大ヒット商品を生み出すことが難しくなっている時代とも言えます。

でも大丈夫、ご安心ください。今回ご紹介する『仕事に効くオープンダイアローグ』には、そんな病にも「効く」手法がどーんと紹介されております!

明日の会議でやってみよう! 誰にでも起こせる会議イノベーション!

職場環境を変えると言っても、優秀な人材を採用したり、自分が転職したりは、そうそうできないですよね。こんな会議、意味ないなあと思ってはいるものの、「みんなもっと意見を言って!」と声をかけてもイマイチうまくいかないものです。

まずはそんな状況になってしまっている原因を探ってみましょう。

「昭和な職場病」の要因

その① 正しいことを探している…まるでどこかに絶対的な答えがあって、誰が正解を言っているのか探す場になっている
その② みんな、なんだか他人事…上司の言っていることに忖度したり、言われたことをこなすだけで自分の意見がない
その③ 人の話を聞かない…②とは逆に、みんなが好き勝手言って終わる
その④ 質問が過去を向いている…相手にする質問が、事実確認や過失を責めるようなものばかり
その⑤ やりっぱなしで振り返らない…ダメだったら「ダメだったね」で終わる

いかがでしょうか? この中からひとつでも当てはまったら、あなたの職場の会議は病んでます! 昭和に感染していますー!!

そんなあなたに「会議にイノベーションを起こす処方箋」をお出しします。明日の会議は以下のポイントを意識してみましょう。

会議にイノベーションを起こす処方箋

その① 違いを受け入れる!
誰か一人が正解を言うのではありません。それぞれの意見があるんだな、ということを理解しましょう。
これは「多様性(ダイバーシティ)」ということ。障がい者雇用や女性活躍推進など、社会的な格差解消の場面で使うことが多い言葉ですが、ビジネスシーンでは「ダイバーシティ・マネジメント」といって、競合に差をつけ市場で勝つためのれっきとして経営戦略なのです! 正解を探すのではなく、間違った意見の人を責めるのでもなく、それぞれの違いを受け入れて新しいアイデアを生み出そう。

その② それぞれが主観的になる
今まで「仕事では客観的になれ」って言われてきた人も多いと思うのですが、人間はそもそも主観的にしか物ごとを捉えられません! 
「私はこう思う」「僕はこう思う」。それぞれの主観や意見を認め合い、すり合わせることで、多様なチームが実現できます。

その③ 相手の話をよく聴く
主観と主観をぶつかり合わせるだけではコミュニケーションが成立しません。あいての主観的な意見をよく聴きましょう。

その④ 未来を創る問いかけをする
相手に対する質問は「〜はどう思いますか」など、その後のアイデアやアクションに繋がる問いかけをしましょう。相手が委縮してしまうような責める質問はNGです!

その⑤ ちゃんと振り返る
毎日忙しいのはわかりますが、やったらやりっぱなしではいけませーん! メンバー全員が深く学んで成長するには、内省(リフレクション)という振り返りが必須です。
それもただやみくもに反省するのではなく、「5W1H」と「8つの問い」を抑えれば漏れなく内省できます。
5W1H…何が(What)、いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なぜ(Why)を念頭に
8つの問い…何をしたのか(行動)、何を考えていたのか(思考)、何を感じていたのか(感情)、何を欲していたのか(欲求)の4つを自分と相手にすることで、食い違いや課題が見つかりやすくなります。

それでは、この処方箋を持って会議にいってらっしゃいませ!
〜翌日〜 ※ここから先は会議終了後にお読みください
会議にイノベーションが起きた!?

会議にイノベーションが起きた!?

……さて、会議は終わりましたか? うまくいきましたでしょうか? 
実際にやってみるとわかると思うのですが、
・意見が違う相手とも対立しない
・自分と違う相手の意見のなかにもヒントがあり、自分の考えを深められる
・前向きな質問をされることで、自分の考えがより深まる

などなど、みんなの目線が未来に向かい、気持ちよく考えられる場ができたのではないでしょうか。

今回は皆さんがチャレンジしたものは、「対話」という種類の話し合いなんです。書名にある「オープンダイアローグ」の「ダイアローグ」が直訳すると「対話」です。

話し合いの種類

●会話:
目的→たがいに仲良くなるよう交流すること(結論を出すことではない)
テーマ→自由
例→おしゃべりとか雑談など

●議論:
目的→あるテーマについて、みんなで結論を出して合意すること
例→勝ち負けをつけるために議論する討論や、あることを実現するために議論する交渉など

以上がよく使われる話し合いの種類。本書で紹介しており、「企業人こそ導入せよ!」と強くおススメしているのが、第三の種類ともいえる、「対話(ダイアローグ)」! 

●対話:
目的→あるテーマについて、一緒に知恵を絞って探求し理解する。一致しない意見についてお互いの考えを深めあっていく(結論を出すことではない)


この話し合いの3種類は、会話で交流し→対話で探求し→議論で合意するのが一連の流れ。
会話と議論はどこの組織でもそれなりに行われている気がしますが、真ん中のプロセスの対話は、どこまで行われているでしょうか。

指示待ち人間は生まれつきなの?

本書の主旨は、「対話」がすっごく仕事に効くよ!というもので、主にビジネスマンをターゲットにしている内容なのですが、「対話」の有効性はもともと、1980年代にフィンランド郊外の精神病院で発明されたものなんです。

統合失調症って、日本では今でも投薬中心の治療なのですが、なんと対話をするだけで、ほとんど薬を飲まず、入院もせずに治ってしまうとのこと。対話で? 話すだけで?

ちょっと信じられませんが、その後さらに、統合失調症だけでなくうつ病・依存症・ひきこもり・家庭内暴力などあらゆるものに効くということがわかってきて、今では職場の人間関係や夫婦関係などにも用いられているそう。

仕事だけじゃなーい! まさに万能薬!!
しかし、なぜ対話するだけで治るのか? というところに、職場にも「効く」ヒントが隠されていました。

たとえば、上司があなたに対して
「いちいち指示されなくても主体的に行動しろ」
と指示してきたとします。経験ある方もいるかもしれません。

上司からすると、「自分で考えて動ける人間になってほしい」。
部下からすると「指示に従ったほうがいいの? 指示されちゃいけないの??」。
よくよく考えると、「指示されないで動け」と指示されている状態。矛盾していますよね。

この矛盾した状況、精神医学用語では「ダブルバインド(二重拘束)」と呼ばれ、
「逃れられないなかで、矛盾した命令を繰り返し与えられることで、二重に拘束されて身動きがとれなくなり、精神に不調をきたすようになる」ことだそう。
一説によると、この状況が繰り返されることで、統合失調症の原因にもなりうるんです。

つまり、人は「患者」という個人に起因するのではなく、「コミュニケーションのパターン」により病む、ということ。

逆に考えると、コミュニケーションを変えれば人は変わる! 治るどころかすごいパフォーマンスを発揮する人になるのかもしれません。

組織の壁を超えた対話で日本企業病を打破しよう

対話が仕事にはとっても効く!

対話が仕事にはとっても効く!

「対話(ダイアローグ)」の話ばかりしてきましたが、仕事に効くのはそれだけじゃありません。「オープンダイアローグ」の「オープン」は、会社や組織の壁を超えるということ。

今の日本企業が伸び悩む原因のひとつに、同質で縦社会の組織というものがあります。この構造は冒頭に述べた「物が足りなくて市場が成長していた時代」には良いのですが(従業員は上からの命令に従ってガンガン生産するだけでよかった)、多様で変化していく時代には対応できません。

そんな組織がなんとか時代に食らいつくには、クローズドな組織や企業の壁をぶち破り、自分たちと異質の人たちと交流しながら創っていく必要があります。
そのときに必要なスキルが「対話」。これがまさに「オープンダイアローグ」。

ワークショップでも使ってる!「対話」は共創のコミュニケーション

多様な人たちがあつまりモノ創りをする。これは、私たちがよくやっている「共創」と同じですね。そう、デザイン思考のワークショップで使われるのも、「対話」なのです!

違いを認め、お互いの考えと知恵をすり合わせて新しいものを創る。デザイナーや技術者でなくてもできる、これは立派なイノベーションではないでしょうか。

本書では、実際にオープンダイアローグを導入した欧米や深圳の企業や、実はオープンダイアローグのかなり古い事例であるホンダの「ワイガヤ」についてなど、実例もたくさん紹介されています。
これを読んで、あなたも今日から職場のお医者さん! 正しいことを探す会議から、未来を創る会議へと変革を遂げましょう!