2019/09/01  カテゴリ 

やってみた!

デザイン思考のワークショップにはじめて参加してみた!

「第1回みんなのデザイン思考」参加者のレポート

エクストリームに付箋を貼るって、どういうこと!?

この先、どうするのだろう?と思っていたら、ファシリテーターの竹丸さんからこの動画を観てください、と部屋の照明が落ちました。

見たのは、登場人物たちが過激な(エクストリームな)行為をしているのを集めたYoutube動画。
「すげえ崖を登っているな」「なんでこんなところで踊ってるんだろ」
10分ほどある長い尺の動画をみたあとに、次のお題が示されました。

エクストリームに「付箋を貼る」を考える! 見た動画はエクストリームを想起させるためのものだったのですね。

エクストリームと一口に言っても、すぐに考えがでてきません。ファシリテーターさんから提示されたヒントは、「Who(誰が)」「When(いつ)」「Where(どこで)」の3つに、エクストリームの要素を分解すること!

なるほど、これだと考えやすい。
われらチームのベストオブめんどうくさい、は「付箋をはること」。
後で勉強したのですが、これシナリオグラフっていうんですね

後で勉強したのですが、これシナリオグラフっていうんですね

「80歳のおばあちゃん」「光希(※チームメンバーのひとり)」「前嫁」

いつ?
「30分おきに」「石原さとみ(と一緒にいるときに)」「別れ話(をしているとき)で」

どこで?
「クラブで」「南極で」「税関で」

「いつ」と聞かれたらふつうは、「◯◯しているとき」と回答するものなのに、
「30分おきに」と頻度を出すのが、われらがチームのエクストリームさ!
「石原さとみ(と一緒にいるときに)」もすごい。時の概念をこの時点で覆しています。

まさに自分一人では出てこないアイデア。多様なメンバーがいると、概念を覆すことができるんだ。アイデアが跳躍するんだ、と感動を覚えた瞬間でした。

プロトタイプに命を吹き込むには!?

最後のお題は、「エクストリームに付箋を貼る」のプロトタイプを粘土で作ること!

人を作るのに肌色や黒の粘土が無い。どうしようかな……? 自分は「80歳のおばあちゃん」を作ることに集中しました。他のメンバーはクラブの内装を組み立てたり、室内の装飾を細かく作ったり。

クラブに30分を計る時計を置くことにしたのですが、メンバーが「デジタルの時計」「アナログの時計」「砂時計」の3つの時計を置こう、と。砂時計があるクラブってすごい!
砂時計があるだけで、場所に命が吹き込まれた感がします。

もう一人のメンバーは、おばあちゃんが付箋を貼るために使う、左手に持たせるステッキを作ってくれました! 付箋をステッキにくっつけて貼る。これもすごいなあ。

そして、自分の作っているおばあちゃん。自分のなかでおばあちゃんといえば、紫に染めた髪のイメージが強くて、髪を紫にしたかったのですが、紫色の粘土が無かったので青に。
自分のなかでクラブといえば、スペインのイビサ島(行ったことはない)なので、スペインっぽくしたいと個人的に考えながら、粘土をこねこね。

クラブだからお酒を飲みながらにしよう、と右手にグラス(他のメンバーには縄文式土器と言われた(笑))を持たせたのですが、何かが足りない。もっと命を吹き込みたい。

キョロキョロ周りを見回すと目についたもの……それはペットボトルに入ったお茶。
これだ!

プロトタイプと現実の世界をつなげるには、自分たちと同じものを飲んでもらう。
このお茶をおばあちゃんにはお酒として飲んでもらおう。と、アイデアの壁をさらに一つ破ることができました。

縄文式土器にペットボトルのお茶をおそるおそる注ぐ。水漏れしないかな?
こぼれることなく、土器の内側にお茶が溜まりました。これで完成!
お茶をいれるのに夢中。頭のなかは永遠の14歳

お茶をいれるのに夢中。頭のなかは永遠の14歳

(なお、3つのエクストリームを作るのがお題だったのですが、おばあちゃんに集中してしまって、他の作品を全く見ていなかったのは反省です)

メンバーがみな少年少女のように眼をきらきらさせて、粘土プロトタイプに集中しているのを見て、この顔こそが大事なんだなあ、と実感しました。難しい顔をしていては、アイデアなんて出てこないですよね。

今後どうやって学びを活用したらいい?

最後に、参加者全員で各グループのお題と作ったプロトタイプの発表をして終了。他のグループもいろいろなプロセスを経て、メンバーの個性が生かされたものでとてもおもしろい!
他のグループの作品をみるのはとても楽しい!

他のグループの作品をみるのはとても楽しい!

デザイン思考のワークショップを初めて体験したのですが、やはり百聞は一見に如かず。一回プロセスを体験することで、効果も体感できますし、疑問点も出てきました。

今回は「考えを拡散して収束させる」プロセスのほんの入口を教わった感じです。経験豊富なメンバーがチームに多かったから、ワークショップが支障なく進み、成功した気もしています。
そのため、自分が会社に戻って、ファシリテーションをするには心許ない気がしました。

実はワークショップ翌日に、自社で運営するサービスの改善ブレストがあり、さっそく学んだことを活用しました。時間や準備の関係上、付箋を使って整理したり、プロトタイプを作ることはできなかったのですが、最初に学んだ点、
「相手のアイデアを否定しない」
「口に出してアイデアを出す」
「上下関係を持ち込まない」
を意識し、2時間ブレストをしました。

結果、今までになく自由闊達にアイデアが出てきて、アイデアの中にはすでにサービスとして実装を始めているものもあります。

いっぽうで、一企業での運用を考えたときの課題も見えてきました。

まず「そもそも多忙な状況で、参加者全員長い時間を取ることが難しい」

現状ではせいぜい2・3時間しか関係者全員の時間をとれません。そうすると、どうしてもプロセスの一部を端折らなければならなくなります。
自分の会社では、ウェブのサービスを顧客に提供しているため、プロトタイピングが命。ディレクターやデザイナー以外の人間がどうやってプロトタイピングを作り、共有するか。その方法も考えなければなりません。

つぎに「参加者の属性が偏ってしまう」

小企業で運用する場合、社内ブレストは参加者が一定のため、新たなアイデアが生まれづらいことも否めません。社外のメンバーも加われればいいのですが、企業秘密もありますから、なかなか頭が痛い問題です。大企業ではあまり問題にならないのかもしれませんが。

そのような課題を感じつつも、他のメンバーとの関わりの中で「アイデアを開いていく」感覚は初めて得るものでした。
ビジネスのみならず、家庭生活や教育でも使えるツールだと実感しました。みんなが身に付けたほうがいい考え方だなあと思いました!
(みんデザ編集部によるレポートはこちら
みなさん、お疲れさまでした!

みなさん、お疲れさまでした!

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