2020/04/24  カテゴリ 

やってみた!

吉成雄一郎氏によるデザイン思考キャンプレポート【後編】

デザイン思考の総本山、スタンフォード大学d.schoolの社会人プログラムを修了した吉成雄一郎さんによるデザイン思考キャンプレポート後編です。

ここでのポイントは、「感情」に着目して会話を進めていくことで、それにまつわる「ストーリー」が出てくること。
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これは感情の上がり下がりを指すグラフ。
二人でお互いの名前の由来や、これまでの人生で名前で良かったこと、嫌だったことを、感情の上がり下がりのグラフにしてみよう!
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デザイン思考で何かを作ったり直したりするときには、「ストーリーを掘り起こしていく」ことがとても大切。
モノやサービスを使ったときに、ユーザーがどういうストーリーを描くのかを見つけるのです。
発表ターイム。名前にまつわる思いもよらないストーリーが...

発表ターイム。名前にまつわる思いもよらないストーリーが頻出しました!

これはなぜかというと、人間の脳は「ストーリー」に反応するようにできているそう。
ストーリーがあるからこそ、人々の記憶に残るものになるのです。

文字がなかった時代には、次世代に残さなければいけないものは全部ストーリーを紡いでいました。だから世界中で民話が語り継がれているのですね。

そして、この「ストーリー」をどうやって掘り起こすかが「共感」の第一歩だそうです。

他にもペルソナを作ったり、ユーザーインタビューするなどの手法があります。
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このあたりは「UXリサーチャー・樽本徹也さん」の記事にもありましたね!

プロセスその② 問題定義の際の注目ポイント

次のステップに進みましょう。2つ目のステップ「問題定義」です。
私たちはイノベーティブなものを作り出すために、どんな問題を解決するべきなのか?を考えていきます。

その時に注目するべきは、「エクストリーム・ユーザー」。
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平均的なユーザーよりも、極端なユーザーを探してみると、革新的なアイデアが隠されている可能性が高いといいます。

ちょっと想像がつきませんが、例えばMacBookの話。
MacBookの表面は、原価50円ほどでできる一般的なプラスチックのプレス加工ではなく、なんと原価1万円ほどもするアルミの削り出し加工がされています。

これ、平均的なユーザーにインタビューをすると、「安い加工のほうがいいに決まってる」となるところを、スティーブ・ジョブズという極端なユーザーの美的感覚で作られたものが、平均的なユーザーを取り込んでしまったという事例です。


また、解決するべき問題を決める際のもうひとつの注目ポイントは、「機能」より「体験」。
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日本企業が作るプロダクトは、「スペック」に注目しがちですが、ユーザーに提供するべきは「いい体験」。

人はいい体験をすると忘れられず、「もう一回やりたい」と思うようになります。
これは「共感」プロセスでもありましたが、ロジックではなく「感情」の部分。

例えば、iPhoneが発売してから一世を風靡したのはスペックではなく、「スワイプの気持ちよさ」。一度体験すると、ボタンを押すガラケーには戻れないのです。
いい体験はスペックを凌駕する。覚えておきたい名言です。
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